ニュースレターNo.105

「軍人キリスト者」国際大会雑感(その五)
コルネリオ会名誉会長工学博士 今井健次

9AMCF国際聖書研究会
前稿の米国海軍大学院に行ったとき、助教授の海軍少
佐Cal.Dunlap の家に家内と共に同居したのだが、その
期間は結構忙がしかった。CalはAMCFの幹部をやっ
ていたので、その仕事も忙しく,それらに付き合う場
合が多く、日曜日には勿論、学校のチャペルには朝か
ら聖研があるし、週日でも色々な所で、色々な集会が
ある。我々の家でも時々聖研に熱心な人達が集まって
来る。近くに陸軍の基地があって、時々陸海で合同の
早天祈祷会をやった事があったが、同じ軍人でも、姿
勢にしても態度にしても,何んとなく違うのは面白い
と思った。
大学の学生官舎に、Jacobson中尉が若い奥さんと共
に住んでいて、そこで毎週聖書研究会をやっており、
Cal.かそれを応援していたが、私が来たのでそれを私に
代わってくれないかと言う、頼まれれば何とかなるだ
ろうと思って、参加する事にした。然し一度 Cal.に連
れていってもらったのだが、同じような官舎が並んで
いるので、なかなか分からない。暗い夜道をそこまで
たどるのは、中々大変なので昼間のあいだに、覚えよ
うと、大分努力をする事になった。
International Bible Meeting と言う名が付いている
のだから、見かけは立派なのだが、集まるのはメキシ
コ・ガテマラ・インドネシヤ・韓国・等からの外国留
学生なので、皆頭の働く人達なのだが、言葉が正確な
英語でないので聞き取りずらい。そうは言っても私の
英語は一番下手かもしれないので,そんな事は言って
おられない、何とかなるだろうと思うことにした。
少し早くいってみたら、Jacobson中尉が玄関口でコ
ーヒー豆の準備をしており、奥さんは家の中で何やら
忙しそうなので、家の中に入っていたら、だんだん人
が集まって来た。
今日の聖書の箇所はきまっているので、そこは皆読
んで来ているので、集会はするすると進んで、順番に
感想を言うことになった。大体の内容はわかるし、人々
の話によって夫々のお国振りがわかる様で、話はなん
となく面白い。次は自分の番というので、私は思い切
って、日ごろ思っていた事をべらべらと日本式英語で
まくし立てた。どこまで意思が通じたか分からないが、
誰も質問する訳でなし、講壇で説教するような気持ち
で気分がよい。そのうちコーヒーブレークになって、
始めての人に対しても,なんとなく同志という感じが
して、和気藹々と言う感じになった。他の人達も同じ
ような感じなのか、難しく言うと主にあって一つと言
うのかもしれない。
10 シンガポール
シンガポールはクリスチャンが多く、発展途上とし
ても優秀なので、AMCF にも熱心であり、アジア国際
大会も1981 年と 1990 年と二度参加した。1981 年 8
月の大会には、日本コルネリ会からも10人(男7人女
3 人)が参加した。
シンガポール空港に到着するや、AMCF の会員が多数
出迎え、各国からの代表を夫々の宿舎に案内して行っ
た。私と家内はかなり大きな教会の宿泊室に案内され
たが、ここはAMCFの会員が牧師をやっており、活
発な教会で、到着した土曜、日曜には、大勢の信者が
集まり数人ずつ固まって聖書研究をやっている.各グ
ループには若いリーダーがいて夫々指導しているので、
場で部門別の大パレードがあり、国防大臣も来場され
これでは宣教はどんどん進むと思った。
大会は8月10日の月曜日から行なわれるというので、
その間他の会員に、ゆっくり案内してもらう事ができ
た。大会には10時半頃、会場のChangie Campとい
う施設に到着。ここは軍関係なので、宿泊は男女別々
の建物に二段ベットが配置され、幾班かにばらばらに
分かれた。荷物を置き、Dining room で、久しぶりに
会う人たちや、多くの初めての人達とも挨拶して、大
会が始まった。この日は丁度シンガポールのNational
Day で、国をあげての記念の日だったので、国立大広
るというので、我々もネクタイをつけて参観すること
になった。色々の団体が堂々と行進する中に、一団の
スチュアデスが揃いの機内の服装で行進に参加したの
は圧巻であった。ここにも発展途上国の活力を見せつ
けられた様な気がした。その後の国際大会は質素の内
でも工夫を凝らし、聖霊の御臨在を感じつつ成功裏に
幕を閉じた。解散後もホームステーで厚い歓待をうけ
帰国することになった。(おわり)-

聖書に学ぶリーダーシップ(その2)
コルネリオ会員伊藤忠臣

本稿を起こす頃、丁度イラク復興支援の本隊施設部隊
イラクも東チモールもルワンダでもこういった打ち拉
がサモア到着をTVが報じ、国会での派遣に係わる事
後承認も完了した。自衛隊の平和維持活動の新たな一
ページ「イラクの戦後復興支援」が開かれつつあると
の実感を覚える。本稿はイエスが活動初期に説いた‘山
上の説教’から「敗者への寛容」について学びたい。
ガラリア地方は中近東とエジプトとの回廊地帯で支配
者ローマ人を頂点としギリシャ人、イスラエル人(ユ
ダヤ部族)等、統治者と被統治者、自由人と奴隷、選
民と異邦人、富者と貧者、そして病んだ人々(伝染病、
熱病、悪魔に取り付かれた人、不治の病人、)かん婦、
孤児等の人種、階層、その他雑多雑種が混在し混沌と
した地域であり、だからこそ言い伝えの政治的メシア
を待望していた時代でもある。イエスは此処において
暖かい奥行きのある眼差しを恵まれない民衆に注いで
いる。[心の貧しい者は幸いである」(マタイ5:1)とは
「神と富とに仕えることは出来ない」(マタイ6:24)と
重層すると、富を欲することも、欲することさえもか
なわぬ無力でただ仰ぎ見る神しかない弱い人々そして
幼い子に。
「悲しむ人は幸いである」(マタイ 5:4)身内や最愛の
人に嘆くべきことがあっても神を求める以外になす術
がないまたはそれを乗り越えて神を求める人に。「平
和を実現する人々は幸いである」憎悪や闘争や軋轢や
相克のかわりに愛や和解や理解をもたらし、平凡な日
常生活を取り戻すこと(戦後復興)に労する人々に。
がれた人々が沢山存在しその人達を支援する自衛隊の
リーダーにはこのイエスの深い温かい眼差が求められ
る。「木を見て森を観ず」とは目前の板の艶・木目・節
等を見て値を決めることを戒め、目利き人が板の元の
木が育った森で、南向きの日当たりか北向きの吹きさ
らしだったかで硬さや伸縮も合わせて判断し柱や板の
用途によって値踏みすることを学べと教える。まさに
人を観察するのも同じで目前の人は全体(生きてきた
歳の分家族・環境・接した人々)の一部分が存在して
いるのだと思って接遇すると、悪い所も背景を見ると
わかってくる。そしたら理解してやれるという度量が
でき信頼を受け心からの服従をえるのです。
東チモールから帰った幹部が言う「独立運動の闘士か
ら日本自衛隊大好きとハグされました。理由は1、我々
を人間扱いしてくれる2、交通ルールを守ってくれる3
我々の言語を学ぼう使おうとしてくれる。4、局地信仰
の象徴である大石や大樹を尊重して道路の設計を手直
ししてくれることもある」と漏らした言葉に心が通じ
合っているなあとの感を深くします。まさにMt5;9
の再現ではありませんか。
「あなた方は地の塩である・・。あなた方は世の光で
ある・・.](マタイ5:13-14)
塩はほかの食物と混ざってはじめて美味しい味となり、
そのまま舐めたら喉が渇くだけです。リーダーも‘地
の塩’になるために孤高にならず塩の様に他と交わり
広く他者の間に入りそれぞれの味を引き出し他の共同
のことがらの真意を判断し「人にしてもらいたいと思
体に生きる心が必要です。そして他者の欠点も弱点も
柔和に赦し、他者に善を願いつつ他者の悲哀をわが悲
哀とし苦や暑さや渇や飢えをわが身に感じ助力を尽く
す心構えもいります。(先憂後楽)これが‘世の光’に
成長する原点です。
「口に入るものは人を汚さず、口から出て来るものが
人を汚すのである。」(マタイ15:11)
自衛隊のリーダーは命令口調をしっかり教え込まれる。
必要な要素はすべて含みながら一点の疑義もない内容
にと・・曰く「・・する。せよ。せい。」との言い様が
習い性となり会話は一般にキツイ感じと大声なので人
は叱られている印象を受けてしまう。肝心なのは心か
ら出る言葉の選択とやわらかさと味である。「だれで
も、聞くのに早く、話すのに遅く、また怒るのに遅い
ようにしなさい。」(ヤコブ 1:19)は瞬時に相手と自分
うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」(マタ
イ 7:12)の精神で率直にゆっくり諭す如くに言うこと
です。
「そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、
岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。」(マタ
イ 7:12)イエスが何回かに分けて山の上で述べた御言
葉(マタイ5章―7章)を生涯守って実行するならばリ
ーダーとして大成するでありましょう。
(後記)「御言葉は人生訓ではない」とお叱りを受け
る積りで書きました.1コリント13章愛の賛歌なども
よいのですがマタイ7:12がそれを包含しているのでは
ないか、また現代社会の風潮で育った人々には黄金律
の方が短くて要を得ていると考えたからです。「箴言}
は人生訓の宝庫です。

戦争について考える(その1)
コルネリオ会 会員 足立順二郎

目 次
1 はじめに
2 定義的事項
(1)戦争とは何か、(2)戦争についての考え方
3 戦争観
(1)戦はやってはならない、(2)世に正義の戦はない
4 戦争論
(1)政府、(2)戦争はある、(3)暴力、(4)軍隊、(5)軍人、
(6)戦略戦術、(7)情報、(8)戦争を防ぐ手段として「専守
防衛」は有効か?
5 おわりに
はじめに
2003年3月18日アメリカのブッシュ大統領がイ
ラクのフセイン大統領に最後通告を発した。3月21
日に大規模空爆で米英連合軍は戦争を開始した。
それ以来TV新聞は毎日のように多くの時間や紙面を
割いて戦争について報道し、あるいはコメントを述べ
ている。TVの画面は対角線の長させいぜいわずか数
十センチである。その矩形の中に切り取られてくる映
像はそれぞれのカメラマンが撮ってくるものである。
カメラマンあるいはそのTV放送会社が見せたい知ら
せたいという映像である。必ずしも私がどうしても知
りたい見たいという映像ではない。新聞紙面にしても
またしかり。
おまけに、実際にドンパチをやって戦場を取り仕切っ
ているのはアメリカでありイギリスでありイラクであ
る。報道管制が敷かれていると考えた方がいい。宣伝
合戦が行われていると考えた方がいい。
4月14日サダム・フセインの出身地ティクリートは
陥落し、米英軍は実質的にイラク全土の制圧を終えた。
これらの戦争報道の画面なり紙面なりを見ているだけ
では、またたくさんのコメンテーター(戦争については
多分多くは素人)の出演するTVショウを見ているだけ
では、あてにできない他人の考えに頼っているに過ぎ
ない。戦争についての自分自身の考え方をよく整理し
ておかないと、いたずらに感情論や感傷論に走って付
和雷同するだけである。誤判断を招くもとである。
私は若年の海軍主計科士官として大東亜戦争に従軍し
た。弾の下もくぐった。自ら機関銃の引き金も引いた。
その間に孫子を読み略解も書いた。
戦後は海上自衛隊に勤務した。補給分野においては全
海上自衛隊を観かつ考える立場についたことはあった
が、その範囲を超えることはなかった。指揮官として
は地方補給所長の地位を超えることはなかった。しか
し、その間任務に照らしつつ孫子を読み、退役後に二
度目の孫子略解を記した。
世の中は変わる。2001年9月11日のアメリカに
おける同時多発テロは戦争というものの態様を変えた。
戦争というものの考え方についても大きな変化を与え
たと思う。
世の中は変わる。しかし、変化のスピードは物事によ
って異なる。大変変わってしまうものと大して変わら
ないものとがある。
それらのことを考え合わせながら、体験と読書に照ら
しながら以下に私の考え方を整理して記録しておくこ
ととした。
愚者は経験に学び智者は歴史に学ぶという。この小
論は愚者の意見である。

2 定義的事項 以降は次回ニュースレターに掲載い
たします。

2004年度 総会報告

6月15日(土)、市ヶ谷で2004年度コルネリオ会総会が
実施されました。午前の金先生のメッセージでは、『神の
栄光を現すため、肉と霊の戦いに勝利して、各場所におい
て主の証人となりましょう』というIIコリント4:7-18の箇所
から力強いみ言葉をいただきました。
総会では、2005年のINTERACTION(軍人クリスチャンリ
ーダー研修会)日本開催を、東京蓮根バプテスト教会で7
月30日(土)-8月4日(木)に決まりました。
また、役員人事、会計決算及び予算は以下のように
なっています。異議のある方は会宛て1ヶ月以内に申
し立ててください。

役員人事
名誉会長 今井 健次 監査・賛美 加瀬 典文
会長 石川 信隆 渉外 矢田部 稔
副会長・総務 中野 久永 顧問 滝口 厳太郎
企画 今市 宗雄 顧問 鈴木 建一
広報 圓林 栄喜 教職顧問 金 学根
会計 長濱 貴志 教職顧問 月井 博

2002年度決算
(2003.4.1~2004.3.31)決算
1 収入前年度繰り越し ¥1912,322
献 金 ¥818,174
集会等参加費 ¥80,500
利息(郵便局定期貯金) ¥107,772
合 計 ¥2,918,768

2 支出講師への謝礼・支援費 ¥280,000
ニュースレター作成・発送費 ¥78,095
新聞雑誌広告費 ¥26,250
事務通信費 ¥38,630
慶弔費 ¥0
接待交際費 ¥60,375
旅費・交通費 ¥210,000
集会費
○定例会会議費(6月総会含む) ¥73,800
○防衛大聖書研究会 ¥123,395
雑費(振り込み手数料) ¥6,120
献金(国内教会・海外へ) ¥21,500
次年度への繰越金(大会準備基金含) ¥1,500,000
合 計 ¥2,918,768

祈りの課題
1防大聖研のためにお祈りください。
2AMCF世界大会(ソウル)への参加者が起こされると共
に、祝福された大会となるようお祈りください。
3イラクに派遣されている自衛隊員の安全のためにお祈り
ください。
4コルネリオ会会員の信仰が守られ、それぞれの職場で主の
御名が崇められる働きができるようにお祈りください。
52005年のINTERACTION(軍人クリスチャンリーダー研修会)日
本開催と必要資金が得られるようにお祈りください。

献金感謝(2004.2.10~2004.5.15現在)
今回も多くの愛する兄弟姉妹から尊い献金をいただき
ました。心から感謝申し上げます。ありがとうござい
ました。(敬称略)
山口 裕、谷田部 稔、松村 和紀、 広田 具之
山下 和雄、倉松 功、今井 健次、飯塚 正実
滝口厳太郎・きぬ子、伊藤 忠臣、繁田 篤良・春代

皆様のご意見、ご感想をお待ちいたしております。
匿名でも結構です。自由なご意見をお寄せ下さい。
(編集子)

コルネリオ会(JMCF)
(防衛関係キリスト者の会)
コルネリオ会広報室
〒085-0814北海道釧路市緑ヶ岡2-1-123
圓林栄喜
電子メール:enrin@m9.dion.ne.jp
郵便振込口座00130-3-87577コルネリオ会
コルネリオ会ホームページ:
http://www.geocities.jp/samuel1/index.html

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