教 会 探 し
コルネリオ会 会員 圓林栄喜
「神様、これからまた新しい地での生活が始まりま
す。どうか良い教会に導かれますように。」
異動の度に妻と一緒に祈ります。キリスト教会とい
っても教派が違えば主義主張にも違いがあります。自
分の信仰が本当に養われ、成長する教会にいつも身を
置けるよう祈っています。
また、「これから行く教会は果たして私たちを快く
受け入れてくれるだろうか?」それが一番の関心事項
でもあります。自衛官という立場上、いつの間にかそ
のようなことに関心を払う習慣が身につくようになり
ました。(良いことかどうかはわかりませんが)
幸い、これまで集った教会はいずれも祈り、聖書の
御言葉を大切にする教会ばかりでしたので霊的に支え
られたと思っていますし、快く私たちを受入れて下さ
り、実際に、私たち家族の信仰を支えてくれるにふさ
わしい教会でした。
一方で、今回の8月の異動で東京に異動した際にま
ず思ったことは、「どの教会にしようか?」でした。歩
いて30分もかからない地域に5つも、6つも教会が
あります。
そのような中で、今回は4つの教会を週ごとにまわ
ることにしました。主任牧師が不在で、毎回他のいく
つかの教会からローテーションで牧師を招聘している
教会、プロジェクターを駆使してビジュアルな礼拝を
行う教会、オーソドックスな昔ながらの厳粛な礼拝を
守る教会等イエス・キリストを信じる人々の集う教会
でありながらこんなにも教会の雰囲気、礼拝形式が違
うものかと改めて驚かされます。それでも、どの教会
で礼拝を守っても問題はないと思いました。
教会は罪赦された人々が集い、共に我々を創造され、
我々を救いに導き、日々我々を助け導かれる神を礼拝
するところだと思います。ヨハネの黙示録にも教会が
出てきますが、それぞれ長短をもち、神様からひとつ
の指摘も受けなかったのはスミルナの教会だけでした。
これまで集った教会もそれぞれ何らかの課題や問題
に直面しており、順風満帆で問題のないといった教会
はありません。しかし、それぞれの教会は問題を認識
して、それぞれの問題のために祈っていました。
「教会探し」と表題をつけましたが、我々が教会を
決めるというような考えではなく、自らの信仰を支え
成長させてくれる教会に導いていただくという気持ち
と祈りをもって求めれば、その時、その時必ずふさわ
しい教会に導かれるというのが私の確信です。
米軍施設の中には教会があり、日曜日毎に礼拝が捧
げられています。同じ使命を有する人々が共に集いま
す。そんな教会が日本にもあればいいなと思うことも
ありますが、人間は様々な価値感、考えの違いがあっ
て当たり前であり、その違いを認めた上でなおキリス
トにあってひとつになる教会こそ必要なのではないか
と思います。
ある先生が、うちは「壁を壊す教会だ」と言われま
した。はじめて聞いた言葉でしたが、心に響きました。
知らず知らずのうちに様々な「壁」で教会が仕切ら
れ、真に救いを必要とする人々の心の「壁」も崩せな
いまま、歩んでいるとしたら残念なことです。まずは、
自分自身がそのような壁を作らないよう(当然、罪を
犯さない範囲でですが・・)導いていただきたいと思
わされます。
聖書に学ぶリーダーシップ(続その5)
―アカベーの‘愛’はどう感じるかではなく、相手にどう振舞うかです―
コルネリオ会 会員 伊藤忠臣
熱闘夏の甲子園、高校野球は、斉藤・田中両投手の
投げ合いが感動を呼びました。本稿では斉藤君の表情
のさわやかさに注目します。打者との駆け引き・バッ
クの守備の巧拙・走者の動き等は‘一球入魂’で投げ
込むエース斉藤君へ凄いプレッシャーになります。早
実入学当初に彼は、先輩にマウンド上の激しい喜怒哀
楽を指摘され、『表情に出して何かプラスがあったの
か?』と問われ大いに反省し、性格を変える大変な努
力をし、皆様が目にした心の動きを表情や態度に出さ
ず投げ抜く、堂々たるエースピッチャーの人格に変身
を遂げたのです。リーダーは「やって見せ,言って聞
かせて、やらせてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」
の行動訓どうり、到達目標に対し各人の技量のレベル
に応じて指導事項を的確に指示すればよく、怒号やな
じり厭味な態度は不要なのです。斉藤投手は夏の甲子
園、国体と連続優勝でそれを証ししました。‘サーヴァ
ント・リーダーシップ’が追及する「リーダシップは
人の中身つまり人格そのもの」である事を具現したも
のという事が出来ます。
以下は‘その5’アカベーの‘愛’から抽出した各
徳目の強調すべき事項について
JamesC.Hunter著。「The Serva
nt」の 4 章「The Verb」から抜粋引用して
紹介します。
人々に影響を与える(愛する)行為の定義とそのコツ
(1) 忍耐;(逆境の局面において)自制を示す事
性格が多様雑多な部下達を統率して、厳しい多様
な状況を克服して任務を達成しなければならぬ自衛
官リーダーには必須の人格であり、部下が自分の行
動に責任を持つように育てる役割を持っています。
そのため部下の尊厳に配慮しながら欠点を指摘して、
責任を身に付けさせるのです。行動訓の原理で状況
に応じ冷静に実行するのです。
(2) 思いやり;関心を向け、感謝し、励ます事
アカベーの‘愛’を示す為の基本的な努めの一つ
は「関心を払う」ことです。人に関心を向けるには
能動的に人の話を聴く事。つまり雑念を払い話し手
が、物事を見るように感じるように、見よう感じよ
うと試みる事(共感)です。
人格の中心には感謝されることの必要がありそう
ですし、賞賛を受ける事は人間として当然必要な事
であり、人との健全な関係に不可欠な要素です。(声
かけ)
(3) 謙虚;思い上がらず、尊大でなく、等身大の自
分でいる事
リーダーに望まれる事は信頼性、つまり人として
嘘偽りのない自分でいられる能力です。謙虚は自分
自身や自分の限界を真に知る事で認識し、謙虚な態
度は人に対してありのままの自分の姿でいることで
偽りの仮面を捨て、自分を過小評価するのではなく、
自分自身より他のこと、他人のことを考える事から
来るのでしょう。
(4) 敬意;部下を大切な者として扱う事
神は人間をまるで駄目なものにお造りになったの
ではなく、行動に少しだけ問題を持たせたので、個
人は何かしら多少は行動に問題を抱えているもので
す。でも人は唯人間であるだけで尊敬すべきではな
いでしょうか。
(5) 無私;自己本位ではなく他人の必要に応える事
たとえ自分の必要な事や欲求を犠牲にしても、他
人の欲求ではなく必要に応える事
Jone2;1-10 カナでの婚礼
(6) 寛容;不当に扱われた時、その憤りを捨てる事
不当な事、悪い事等が起こっていても,見ない振
りをすることでなく、反対にリーダは毅然とした行
動を示さねばなりません。毅然たる行動は、人に対
してオープンで誠実にかつ、敬意を持ったやり方で
行うべきです。この際抜き去り難い憤りを捨てる事
が肝要で、でないと疲労困憊し能力が半減します。
(7) 誠実;欺瞞がない事
誠実によって築かれる信頼、信用は人間関係を作
り上げる接着剤です。
誠実とは人に期待することを明らかにし、責任を維持させ、良い事も悪い事も進んで、知らせ、人に
反省させ、いつも一貫した分かりやすい態度を保ち、
そして公平でいる事。リーダの行動は、どんな犠牲
を払っても欺瞞をなくし、真実のために全力を尽く
す事です。
Jone5;1-9ベトサイトの池で病人を癒す。
(8) 献身;自分がした選択を堅持する事
8 要素の内最重要な‘人に影響を与える愛の行為’
です。米軍野外令は『国家の為、陸軍の為、組織の
為、関係者の為に正しい事を行う事を意味している。
そしてこれらの責任を己の利益に優先させる事であ
る。』と明記しています。
真の献身は継続的な向上によって、個人と集団が
成長する事を目指します。献身的なリーダは、人の
成長と能力の十分な発揮、継続的な向上に貢献し、
出来る限りよいリーダになれるように助力して、人
を導くに値するリーダであるべく身を捧げているの
です。
人生において‘しなければならぬ事’は二つしか
ありません。一つは‘死’、もう一つは‘選択’です。
権威やリーダシップにいたる道のりは‘意志’から
スタートします。意志は意図をもって行動するとい
う‘選択’です。私達は最終的にどんな行動をとる
か選択してその選択に責任を取らねばなりません。
リーダーが‘愛’する事、人の為に全力を尽くす事
を‘選択’した時からリーダーには 8 ヶ徳目の発露
が必要とされます。特に苦手の人の為に全力を尽く
す時や厳しい試練を迎えた時、又特に嫌だと思う人
を‘愛’する時に、貴方の‘真の人格’が現れます。
人生において、今日、貴方に、次の瞬間、如何なる
行動をとるか、‘選択’を強要してきます。一瞬一瞬
を、どうぞ精進してください。
戦争について考える(その7)
コルネリオ会会員 足立順二郎
5.軍人
(3)シビリアン・コントロール
現在の自衛隊を運用しているもっとも中枢にいるの
は総理大臣である。直接の運用責任者は防衛庁長官で
ある。彼の直接のスタッフは各幕僚長をのぞき所謂シビ
リアンである。幕僚長以外には直接部隊指揮の経験は
ない。彼らは「進め進め兵隊進め」とはいうが、決し
て弾の降る下には行かない仕組みになっている。これ
らの防衛庁長官以下の自衛隊運用責任者に対して注文
をつける(下品な表現になるが、これまでの国会におけ
る議論を見ているとイチャモンをつける)国会議員も、
身分は決して自衛官ではないし弾の降る下には行かな
い仕組みになっている。皮肉な物言いになるかもしれ
ないが、これが民主主義国家における軍隊の軍人のお
わされている運命である。これがシビリアン・コント
ロールとかシビリアン・スーパーマシーとかいわれる
制度のもとにおける軍人である。総理大臣、国防大臣、
外務大臣などに軍人経験者あるいは戦争体験者がいれ
ばいくらか救いにも慰めにもなるが、我が国の現状で
は望むべくもない。何とも救いようがない。
(4)命がけ
とにかく、軍人は命令があったら、命を的に働かな
ければならない。鉄の団結を持って打って一丸となっ
て敵に当たらなければならない。
だから、いろいろな徳目が必要になってくる。かつ
ての軍人勅諭に示された忠節礼儀武勇信義質素などは
どの国の軍人に対しても要求される徳目である。
命を的にということは、死ぬ(戦死する)確率が高いこと
である。我が国のある総理大臣がいったことがある。
「一個の人命は全地球の重さよりも思い」と。そうい
う命を捨てるのである。誰でも死にたいわけではない。
おまけに本人が死ぬだけではなく、本人には愛し愛さ
れる家族がいるのである。
だから、「進め進め兵隊進め」という人は本当にその痛
みを知った上で、軍事について十分以上に知った上で、
決心判断しなければならないのである。
不幸にして戦死した人々には十分に慰霊しなければ
ならないのである。家族に対しては十分に償わなけれ
ばならないのである。
(5)職業軍人
大東亜戦争終了後、私は職業軍人であったというわ
けで公職追放を受けた。所謂パージされたわけである。
当時職業軍人という言葉には何か「金をもらって戦争
する人」というそれこそ崇文蔑武的な響きがあった。
しかし、そうではない。
職業はこの場合 professional で「専門の」とか「本
職の」「ホンチャンの」と訳すべき単語である。昔ヨー
ロッパで大学が出来た頃、大学は神学、医学、法律学
を講じるのが目的であった。つまり、牧師、医師、法
律家を養成する学校であった。彼らは皆cureという単
語でくくることの出来る専門家である。つまり、牧師
は魂の病気を癒す、医師は肉体の病気を癒す、法律家
は社会の病気を癒すのである。
ところが、世の中だんだん複雑になってくると、こ
の三つの professionals(専門家)だけではうまく動かな
くなってきた。四つ目のprofessionalsつまり軍人が必
要になってきたのだ。四つ目のprofessionalsを養成す
る学校が陸軍の士官学校とか海軍の兵学校のような学
校だ。この種の学校は世界中の国にある。我が国では
防衛大学校と各自衛隊の幹部候補生学校がこれに当た
る。この出身者をprofessional soldier というのだ。こ
れを職業軍人と訳した。
この職業軍人が軍隊の幹部になる。これなくしては
現代の軍隊は成り立ち得ない。したがって彼らにはも
っとも厳しい職業倫理が求められる。
この中で、ことに民主主義国家の軍隊の幹部に求めら
れるもっとも重要な特性は「臨機応変」であると考え
ている。民主主義国家というものは全体的に見れば「手
続き社会」である。したがって軍隊の運用についても
まことに細かな規則がある。
ところが、戦争というものはまことに千変万化であ
ってあらかじめ定めた規則に則って変化してくれるも
のではない。次の瞬間何が起きるか分からない。とて
も規則であらかじめ決めて置ききれるものではない。
アメリカ海軍には次のような戒めがあると聞いた。
「諸君、ネービー・マニュアルを読みたまえ。読んで
そこに書いてあるように行動したまえ。しかし、ネー
ビー・マニュアルを読むいとまのない時には、常識に
従って行動したまえ。それはよくネービー・マニュア
ルに一致するであろう。」 なかなか含蓄に富む。
また、アメリカ海兵隊のモットーもまた「臨機応変」
であると聞いた。(次回に続く)
献金感謝(2006.4.6~2006.10.15)
今回も多くの愛する兄弟姉妹から尊い献金をいただ
きました。心から感謝申し上げます。ありがとうござ
いました。(敬称略)
石川信隆、伊藤忠臣、今市宗雄、圓林栄喜・さゆり、
加瀬典文、韓国MEAK、広田具之、松井光江、
山下和雄、矢田部稔、吉田好里・美枝子、新屋徳治、
斉藤孝、宮崎健男、谷岡博志、長橋和彦・晴子、
石井克直、玉井佐源太、内山義彦・和子、江副喜介
長濱貴志、大久保真道、松村和紀
祈りの課題
1 防大聖研のためにお祈りください。
2 コルネリオ会会員の信仰が守られ、それぞれの職
場で主の御名が崇められる働きができるようにお
祈りください。
3 自衛隊宣教大会が祝福され感謝です。引き続き、
活動が祝されるようお祈りください。
4 各国の軍人クリスチャンの歩みが支えられ、御名
が崇められるようにお祈りください。
今年1年の歩みが神様によって祝された事を感謝し
ます。良いクリスマスと新年をお迎え下さい。
(編集子)
JMCF)
(防衛関係キリスト者の会)
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