ブラジル伝道17年の恵み
会員ブラジル宣教師下桑谷浩
ブラジルでブラジル日系人宣教師、アリアンサ・
キリスト教会牧師をつとめていますが、ブラジルか
ら4月14日、都合により一時帰国しました。
この機会に、みなさまの教会などをお訪ねし、ブ
ラジルでの伝道牧会の働きの報告とお証の時が与え
られ、まことに幸いでございます。7月上旬にはブ
ラジルの働きに戻ります。
入信からブラジルでの働きの一端を述べさせてい
ただきます。
終戦の年(中学1年生)、担任教師から黄色いヨハ
ネ伝分冊が配られました。分冊は焼かれてしまいし
ましたが、「黄色い本ヨハネ」はわたしの心の中で燃
え続け、33歳の時、ヨブ記23章10節の御言葉
「しかし、神は、私の行く道を知っておられる。神
は私を調べられる。私は金のように、出てくる。」に
よって命の道に移されました。
それから20年-自衛隊中央病院で医療業務に従
事。その間イスラエルなど聖地訪問、韓国教会の視
察などをおこない、夜間を利用してカベナント神学
校に学び、働きながら東京キリスト伝道館副牧師を
10年間。53歳で自衛隊を定年退官、防衛庁の斡
旋する再就職の道を断ち、フルタイムで主に仕える
ことを決意しました。
祈りの中に示されたエゼキエル書3章4,5節の
御言葉「その方はまた、私に仰せられた。『人の子よ。
さあ、イスラエルの家に行き、わたしの言葉のとお
りに語れ。わたしはあなたを、むずかしい外国語を
話す民に遣わすのではなく、イスラエルの家に遣わ
すのだ。』」によりブラジル日系人宣教への召しを確
信しました。ブラジル視察、ポルトガル語習得、宣
教師のトレーニングを受け、単身赴任。
サンパウロから西へ600キロの農業地帯にある
日系人移住地アリアンサにただひとつ残る教会に赴
任、一世の老信徒10人ほどで十字架をかかげ、信
仰生活を守っていたアリアンサ教会に陣取って17
年。牧会伝道、地域の冠婚葬祭などに取組んできま
した。
その間開いた大小の集会などは6200回を数え
ます。また、100人を超える信徒を天に送り、「葬
式牧師」、「教会のお坊さん」の異名を頂戴しました。
さらに車両走行も47万キロに達しています。
キリストの福音を伝えるべき人、いや、動物、野
の花にも全て伝え、救われる人は、全て救われた、
いまそのような感を抱くにいたっています。 以上
戦争について考える(その8)
コルネリオ会会員足立順二郎
6.戦略戦術
戦略戦術については小論では論じない。私にはそれを
論じるだけの力がないので、次のことだけを書いてお
く。
一つは「戦略的な失敗は戦術的な努力ではカバーでき
ない」ということである。これは海上幕僚監部勤務時
代に中山定義海上幕僚長から受けた教訓であり、私も
全くそう思っている。
もう一つは、我が国にはアメリカのオレンジ計画に匹
敵するような長期戦略はなかったろうということであ
る。
7.情報
(1)情報
情報には料理の素材のようなもの(情報資料)もあるし、
出来上がった料理のようなもの(情報)もある。全部ひ
っくるめて情報と呼んでおく。形式も取り扱い手続き
もあまり大差ないからである。
(2)情報力
大東亜戦争の敗因の一つに我が国の情報力の低さをあ
げることができる。現在でも、我が国の情報力は高い
とはいえないような気がしている。
(3)先に知る
情報力についていうならば、「孫子を読めばいい」とい
うことに尽きる。なお、孫子は「情報」のことを「知」
とか「情」などと表現している。
孫子のすごいところは、2500年も前にhumintなど
をすでに言い切っていることだ。当時はおみくじを引
いたり予言者の予言を聞いたりして戦のやり方を決め
るのが普通であったのに、孫子はそれを禁じているの
だ。「先に知る」には「人に取りて」なのである。
(4)機密費
先に知る」ためにはいろいろ手だてが必要となる。金
もかかる。公然の方法にも非公然の方法にも金はかか
る。これについて孫子は面白いことを書いている。い
くつかあるが引用しておく。
昔殷の興るや伊摯夏に在り、周の興るや呂牙商に
在り。(用間篇)
ソ連が日本を打ち破ったときにはゾルゲと尾崎秀実が
いた。要するに国政の中枢に迫るスパイが大事だとい
うことである。
三軍の賞、間より厚きは莫し。(用間篇)
この句はわかりやすい。論功行賞やご褒美はスパイに
対してはもっとも手厚くしなければならないというこ
とである。
孫子曰く、凡そ師を興すこと十萬、出征すること
千里、百姓の費、公家の奉、日に千金
を費やし、(中
略)相守ること數年、以て一日の勝を争う。而るに
爵禄百金
を愛して、敵の情を知らざる者は、不仁
の至りなり、人の將に非ざるなり、主の佐に非ざ
るなり、勝の主に非ざるなり。(用間篇)
軍隊を養い戦を続けるには莫大なお金がかかる。孫子
は「日に千金」という。これに対して、少々の地位や
金(孫子は「百金」という)をケチって、敵情を知ら
なくてはとうてい勝利を得ることはできないと言い切
るのである。
「日に千金」が戦費、「百金」が機密費である。
8.戦争を防ぐ手段として「専守防衛」は有効か?
我が国の自衛隊は「専守防衛」ということになってい
る。これは戦争を防ぐ手段として合目的的な考え方だ
ろうか?
(1)コミュニケーション論的に
ここで、話の筋を飛躍させる。英国にJ.Z.ヤング
という解剖学者がいた。約50年前に現役だった。脳
の構造を論じ大脳生理からコミュニケーション論に至
った。
彼の著書“DoubtandcertaintyinScience”(人間はど
こまで機械か)という本を読んだことがある。また、他
の書物で彼がコミュニケーションについて書いている
のを読んだこともある。彼は話し手聞き手双方に共通
のモデルがあるときにはコミュニケーションが成功し
やすいということを書いていた。モデルというのは考
え方の型とか比較のための物差しとでも訳せる言葉と
思う。
意見を異にして相対峙する二つの国あるいは陣営が
ある。昔の東西陣営のことを考えてもいいし、現在の
北朝鮮と日米のことを考えてもいい。
対話で解決しない場合、両陣営に共通のモデルはある
んだろうか?あるならばコミュニケーションが成立す
る見込みはあるのだが、残念ながら共通のモデルがあ
る可能性はきわめて少ない。悲観的な物言いになるの
だが、両者の間にある唯一の決定的な共通モデルは
「死」である。「そんなことをしたら殺すぞ」とか「こ
んなことをやっていたら殺されるぞ」というようなモ
デルは両者にあり得る。
だから、米ソ間には恐怖の均衡があったのだ。あり得
たのだ。核軍縮条約も結べたのだ。とにかく平和を保
つこともできたのだ。
イラク戦争を例にとる。戦前に英米と仏露中の間に
意見の相違があった。いろいろ理由があるんだろうが、
とにかく一致しなかった。これがイラク側に誤ったシ
グナルを送ったことになりはしなかったかという心配
が残る。
北鮮との対話においても、誤ったシグナルを送って
はならない。いうことを聞かなかったらやられるぞと
ハッキリ分かるようにしておくことが戦争を防ぐこと
になる。イラク戦争の轍を踏んではならない。
こういうわけで、「専守防衛」は戦争を防ぐ手段として
有効であるか否かを疑うのである。
(2)経済的に
専守防衛ということは守りに徹するということであ
る。孫子はいった。「備えざる所無ければ、寡なからざ
る所無し」と。どこもかしこも防備しようとすれば、
どこもかしこも手薄になってしまうということだ。
(虚實篇)
どこもかしこも十分な厚さに防御しようとすれば、
その費用は莫大となる。戦争というものは経済の埒外
にはないのである。
国費は十分な防御のための費用に耐え切れまい。
攻撃は最良の防御である。「専守防衛」が戦争を防ぐ手
段として有効であるか否かを疑う第2の理由である。
おわりに
2003年4月に書き始めて、7月に書き終えた。
冒頭に断ったように、愚者の意見になってしまった。
しかし、私がこういう人生を送ってこう考えている
ということには間違いない。
また、将来について希望はもっている。これまた経験
に照らしてである。
海上自衛隊に勤務していた頃あるプロジェクトに参加
したことがあった。ある情報システムについての提言
を書くというようなプロジェクトであった。最近のは
やりの言葉で言えばプロジェクトXであった。なんの
反応もなく当時は黙殺されたと思っていたが、退役後
数年を経て、そのプロジェクトは実現したと聞いた。
自衛隊とか官僚組織には、悪口をいう人は多いが、
中には優れた人材は多くいるだろうし、また組織とし
ての永続性はある。
誰かは突飛なような意見を取り上げてくれる人がいる。
また、実現までそれを抱き続けている後継者がいる。
望みをかけたい。
最後に孫子の冒頭言を書いておく。彼もまた結論的な
ことはいってはいなかった。
孫子曰く、兵は國の大事、死生の地存亡の道、察せざ
るべからざるなり
。
2004年2月 足立 順二郎 追記
2007年度 総会報告
6月9日(土)、2007 年度コルネリオ会総会が実施さ
れました。2006年度の活動報告・会計報告と2007年度
の活動計画・予算計画及び役員人事の審議がありまし
た。
また、2007年度の活動計画、役員人事、会計決算及
び予算は以下のようになっています。異議のある方は
会宛て1ヶ月以内に申し立ててください。
2007 年度コルネリオ会活動計画および担当者
1 全般
2007 年度のアジア大会へ積極的に参加するととも
に自衛隊宣教会と連携して活動し、会員の霊的な成
長と福音伝道に寄与する。
2 活動要領
(1)月例会の活用
ア 聖書の学びを通じ率直な意見交換を図る。
イ 新人の開拓に努める。
ウ 来訪者との交流の場とする。
(2) 自衛隊宣教会との連携
ア 連絡調整を密接にし、意思の疎通を図る。
イ 例会とテモテ会の開催日程等を節調する
(3) 在日米軍人等との交わり
横田MCF等との交流の機会を活かし、コルネ
リオ会を信仰上魅力あるものにする。
(4) 国外活動との連携
ア 2007アジア大会(台湾、10/16-18)に役員は
もとより多数へ呼びかける。
イ AMCF及びACCTSとの連携を保ち情報
収集を行う。
(5) 広報・連絡
ア ニュースレターの投稿を拡充する。
イ ホームページの活用策の検討と内容の充実を
図る。
(6) 会計
ア コルネリオ会員海外派遣宣教師、AMCF及
びACCTS等へ献金する。
イ NL発行回数の減少に伴う献金カバーに留意
する。
役員人事
会長 今市 宗雄 中野 秀知
伊藤 忠臣 監査 玉井佐源太 副会長・総務 中野 久永 滝口 厳太郎
企画 加瀬 典史 顧問 石川 信隆
石川 信隆 金 学根
矢田部 稔 井草 晋一 渉外
滝口厳太郎
教職顧問
徳梅 陽介
広報 圓林 栄喜 名誉会長 矢田部 稔
NL発刊 伊藤 忠臣
会計 長濱 貴志 永久名誉 今井 健次
2005年度決算
(2006.4.1~2007.3.31)決算
1 収入 前年度繰り越し ¥1,665,162
献 金 ¥434,633
合 計 ¥2,099,825
2 支出 講師・謝礼費 ¥210,000
ニュースレター作成・発送費 ¥96,377
新聞雑誌広告費 ¥42,525
事務通信費 ¥18,655
慶弔費 ¥38,000
集会費
○聖会・例会会議費 ¥33,408
○聖書研究会等 ¥10,000
雑費(振り込み手数料) ¥12,235
献金(国内教会・自衛隊宣教会等) ¥165,000
韓国インターアクション参加支援 ¥50,000
2007年度への繰越金 ¥1,405,625
合 計 ¥2,099,825
2006年度予算
(2007.4.1~2008.3.31)
1 収入 前年度繰り越し ¥1,405,625
献 金 ¥500,000
合 計 ¥1,905,625
2 支出講師・謝礼費 ¥120,000
集会費 ¥50,000
(1)例会費(10回) (¥40,000)
(2)その他(他Gpとの合同集会) (¥10,000)
ニュースレター作成・発送費 ¥90,000
新聞雑誌広告費 ¥45,000
事務通信費 ¥20,000
慶弔費 ¥20,000
接待交際費 ¥40,000
雑費(振り込み手数料) ¥13,000
献金(国内教会・自衛隊宣教会等) ¥165,000
予備費 ¥1,342,625
合 計 ¥1,905,625
献金感謝(2006.10.16~2007.7.27)
今回も多くの愛する兄弟姉妹から尊い献金をいただ
きました。心から感謝申し上げます。ありがとうござ
いました。(敬称略)
朝岡満喜子,足立順二郎,石川信隆,伊藤忠臣,今市宗雄
今村和男,圓林栄喜・さゆり,加瀬信吾,加瀬典文
狩野和夫,河内俊介,蔵谷三郎,倉松功,武宮哲夫
谷岡博志,玉井佐源太,柘植利幸,納谷憲正,西満
花井米男,桧原菜都子,広田具之,松山暁賢,矢田部稔
薮内隆志,山下和雄,山本浩,吉田靖
お詫び
一昨年前、台湾の「莫中校」様から献金をいただいて
おりましたが、献金者名簿から抜けておりました。心
からお詫び申しあげます。申し訳ございませんでした。
お知らせ
1異動等される方は異動先を是非ご一報ください。
2コルネリオ会は毎月例会を持っています。都合のつ
く方は是非ご参加をよろしく願いします。
3ニュースレター発行は2006年は3回です。
(4月、8月、12月)
記事を投稿されたい方は1ヶ月前までに、下記あて先
までメールか郵送でお送りください。
コルネリオ会(JMCF)
(防衛関係キリスト者の会)
コルネリオ会広報室
〒166-0003東京都杉並区高円寺南5-33-8 2-33
電子メール:hidenobu-sayuri_enrin1211@y3.dion.ne.jp
郵便振込口座00130-3-87577コルネリオ会
コルネリオ会ホームページ:
http://www.geocities.jp/samuel1/index.html