聖書に学ぶリーダーシップ(その9);具体例編
-サーヴァントリーダーシップ-
会員 伊藤 忠臣
アフガニスタンにおけるNGO「ペシャワール会」伊
藤隊員の殉職は悲しく残念なことです。麻薬の原料
となるケシの栽培をやめさせ、小麦の栽培に切り替
えるべくアフガンの人と一体となって現地で農業指
導を主体に、用水路の建設などを、率先陣頭に立つ
復興支援業務の途上に殉職されました。伊藤隊員の
志と行動はまさに‘アカベーの愛’なかんずくアフ
ガン国民への「敬意」と農業指導での姿勢は「無私」
の実践そのものです。心から冥福をお祈りします。
「JMAS:退職した自衛隊隊員による地雷を処理す
る会」がカンボジアを主体にアフガンにおいても国土
の安全化に長年尽力していることを付記します。
4、敬意:他人のことを大切な者として扱うこと
〔具体例―1 「5分前の精神」〕
これは海上自衛隊が海軍の伝統を継承したもので
す。5分前にすべての体制を整えるとは、定時定点
に事を始めるため余裕を持って準備を終える。まさ
に各人が相互に敬意を払っていることです。特にデ
ジタル化の先端にある海上自衛隊にとっては必須の
ことです〔機械重視だよと陰の声も聞こえますが・・〕
〔具体例―2 礼拝の開始時間〕
礼拝が定時に開始されるときは、すべてが何の違
和感もなく自然に、時には聴きにくいこともある説
教も胸に染み入るように感じるのは、私だけでしょ
うか?時間が大切に扱われていることはとてもいい
ことです。
遅刻した人の伝えるメッセージは、1、待ってい
る人の時間より遅刻した自分の時間のほうが大切〔か
なり尊大なメッセージ〕2、そんな人でも相手が大切
な人なら時間どうり来るでしょうから、遅刻する人は
誠実でないというメッセージも伝えています。
時間に厳正な方は実に立派な人であることを心に
銘記することが必要です。
5、無私:自己本位ではなく他人の必要(欲求でなく)
に応える事
無私の反対は‘自己本位’です「私の必要が第一
であなたの必要は後回し」という意味です。‘無私’
とはたとえ自分の必要なことや欲求を犠牲にしても、
他人の必要に応えることなのです。
〔具体例〕
野営訓練で、経験豊富な中隊長に午前中しっかり
鍛えられた後、宿営地に辿り着くや、「小隊長前へ」
の声に隊長幕舎にただちに出頭しました。「隊員は
どうしている?、すぐ食事をさせておけ」と指導さ
れ、それから延々個人指導があり、私は昼食を食べ
る間もなく、午後の訓練に出発したのです。
「戦場では将校より先に兵士が食事をとる」この鉄
則は「リーダーは人の必要なこと-兵士の精神的・
肉体的健康にとって当然必要なこと-に応える」か
らも理解でき、肝に銘じたのでした。
6、寛容:不当に扱われた時その憤りを捨てる事
〔具体例〕
ある伝道者の証しです。社長室長というエリート
コースから突然左遷されたこの方は、不当なる扱いを
神の試練として受け止め、愛社精神も微塵も損ずるこ
となく却って高揚させ、与えられた職務において会社
の発展のため次々と業績をあげ、ついには社長・会長
に上り詰められました.
‘憤り’でなく愛社精神の発露という、毅然とし
た行動を示され、その実行に当たっては毎朝出勤前に、
クリスチャンの奥様と、主に感謝し、今日の仕事の成
功、関係する部下たちの健康と努力を深く深く願い、
長い祈りをなされたとの事でした。まさに神にすべて
を委ねられたのです。
7、誠実:欺瞞がないこと(誠実は人がリーダーから望
むもののリストのトップ
つまり誠実であるとは、人に期待することを明ら
かにし、責任を維持させ、良いことも悪いことも進
んで知らせ、人を反省させ、いつも一貫したわかり
やすい態度を保ち、そして公平でいること。
〔具体例―1〕
私は師団幕僚4年、方面幕僚2年を、ともに教育・
訓練、防衛担当として指揮官名で命令を起案する立場
にありました。宛先が方面・師団の順に隷下部隊数が
多くなるほど内容も膨大に為りがちです。この際、①
内容をぎりぎりまで詰めて完全な命令を発出するか。
②大綱命令で大まかながら、隷下部隊が大要を理解
し必要な統制・調整を開始できる余裕をもたせて発出
するかを決めてから、立案にかかりました。私は圧倒
的に②を多用しました。
〔具体例―2〕
指揮官が、隷下部隊の1隊員まで意図を徹底し、
また状況を掌握するに要する時間は①中隊長は即、②
連隊長は1日、③それ以上は幕僚を動員しても相当の
時間を要します。③の場合わたしは、毎年実施する各
種業務指導時、主担当幕僚の他必ず医務官・法務官・
会計課長を同行させ、専門家として駐屯する全部隊お
よび個々の隊員・家族の「心配事」や「悩み事」「問
題点」等々の相談を受けさせるように指導しました。
結果は部隊や個人や家族の抱える大小・ホットな相談
があり問題点と傾向を掌握でき、速め早めに手が打て、
‘人は戦力’の地域担当のリーダーシップを発揮でき
たように思います。
8、献身:自分がした選択を堅持する事
サーヴァント・リーダーシップの原理は、大きな
努力が要り、リーダーが身を捧げないとお手上げにな
り、権力に訴えざるを得なくなります。真の献身とい
うのは、仕事のやり方、その際の個人への指導を、既
述の各徳目の狙いに沿って指導監督を継続し、向上し
た成果を積み重ねて、リーダー、隊員個々が、そして
部隊が成長します。
〔具体例〕
陸上自衛隊が‘全隷下部隊の教育訓練管理および
部隊検閲を毎年実施する’画期的な施策を実行した
2年間、師団挙げて(私は担当部長)献身的な仕事
をしたと自負出来ます。その教訓は、各級指揮官・
幕僚の‘責任’と‘権限’の明確な理解と徹底した
実行が、部隊精強化の原動力であるということです
(マンネリ打破)。各部隊の検閲終了時に各部隊に講
評として公式評価するとともに、担当幕僚に懇談(研
究会)の形で諄々と説く機会を設けました。、自画自
賛ながら部隊と隊員一人一人が見違えるように生き
生き強くなったように思います。師団幕僚も全員が
3ヶ月ほど演習場に野営し検閲を繰り返し、その間
に恒常業務(災害派遣含む)をこなすという、権限
に見合う責任を果たしたと思います。陸上自衛隊の
リーダーは、海空部隊と異なり、隷下部隊が大きく
なるにつれ、第一線隊員との距離が離れ遠くなりま
す。いかに一人で切歯扼腕しても手も声も届かない
のです。常日頃から統率に心掛ける必要があります。
任官直後にサーヴァント・リーダーシップを実行す
ることを選択して、終生その完成に日々努力するこ
とが、クリスチャン・リーダーの努めです。
賛美は証なり
コルネリオ会会長 今市 宗雄
私はこの度、東京キリスト教学園第三十七回夏期教
会音楽講習会へ初めて参加しました。
開会礼拝では、天上の礼拝においては説教も無くた
だメロディー付きの賛美のみが盛んに行われているこ
とを学びました。
続いて山口昇・天田繋両講師から、「キリストの愛我に
迫まれり」の作詞・作曲の経緯を伺いました。
何れも、祈りに答えて頂き、無から有を造り出して下
さる主に出会われたスリリングなお話でした。
いよいよ待望の稲垣俊也先生からの声楽受講です。
その様子は、三十名も入れば満員になるような教室で
彼のバリトンをもってバリバリと手取り足取りの個人
レッスンを一挙に四時間にわたり緊張と笑いの中で進
めて行かれます。
正に手に汗を握る、神の栄光を表すための音楽性と
テクニックの生きた伝授場面の連続です。
音楽性とは曲の由来(動機)を尋ね、テクニックとは
その意図するところを表現する技術であると繰り返し
強調されます。先生の愛と真心が、自分の素材の粗末
さに恐縮する暇も与えません。受講生十五名は、私よ
りもレベルの高い方ばかりでした。しかしながら、音
楽を通して如何に主の栄光を表すかとの信仰が、挫折
しそうな私を終始支えて下さいました。
こうした三日間で学びましたことは、賛美は主を証
すること神の愛にお応えすることで有るとの確信を与
えて頂いたことでした。
また先週、オーストリアツィアル教会合唱団の賛美を
成田国際文化会館で聞き同様な思いをつくづく持ちま
した。周囲の聴衆は、六百年と百年の音楽の歴史の差
が成す業と驚いていました。それ以上に、三十名のチ
ームからは、謙遜と主の栄光が静かに響いていたと思
います。ハレルヤ、感謝します。
古屋法子さん(講座第10期)のご逝去
コルネリオ会会員 矢田部稔(講座第42期)
古屋さんは2008年6月 28 日、この世の生活を74
歳で、東京の緩和病院にて閉じられた。07年暮頃から
病状が悪化し、大手術も受けられたが、08年春からは
緩和病院で過ごされ、入院中も毎日のように散歩をさ
れ、所属する東京の日キ教団千歳船橋教会の礼拝に出
席され、亡くなる 1 週間前までは食事も普通のように
摂られた、とのことである。
私とのご縁は八王子大学セミナーハウスでの「東京
神学大学夜間神学講座夏期研修会」が主なものであっ
た。と言うよりは講座とその帰路、八王子駅喫茶店で
のしばらくの談笑が唯一の接点であった。
更に接点を探せば、次を思い出す。20年くらい前に
私の妻が新宿高層ビルで開かれていた朝日カルチャー
の講座に参加したときのことである。休憩時間には和
やかに先生にお茶を差し上げているが、質問となると
講師の北森嘉蔵先生に激しく攻め寄るフルヤという物
凄い女性がいると聞いていたので、それを質問すると、
笑い飛ばしながら、私の妻をこの夏期研修会に特別参
加させるように熱心に求められた。
北森嘉蔵先生の最期に、丁寧なお世話をされたとの
ことであった。
私は八王子で毎年1回開かれる研修会で10回近くご
一緒させて頂いたが、講師の先生(東神大教授)と堂々と
した神学議論をされる彼女を見るのは毎回のことであ
った。
2002 年8月、私たちコルネリオ会(防衛関係キリスト
者会)が、市ヶ谷でアジア大会を開催し、12カ国から現
役・退役の軍人とその家族ら240 名が集まった。その
会にお誘いしたところ、彼女は参加され、いたく感動
された。霊の存在を実感する、すぐに次の大会を開催
してはと言われる。国際的組織が計画的に開催してい
るのであるから日本独自で無理な計画をするわけには
いかないと断るのが大変であった(そのことは、ご承知
のうえの、励ましを言われたのであろうが)。
私にとって2007年8月がお会いできた最後であった。
私は八王子以外の彼女のご生活は知らない。しかし、
恐れることなく、激しく、神学の軸を大切にして主の
道を歩まれた方であったと思う。(東京神学大学夜間
神学講座クラス新聞に投稿したもの、08.09.05記)
コルネリオ会ホームページについて
コルネリオ会 広報担当 圓林栄喜
いつも、コルネリオ会のためにお祈りいただき感謝
申しあげます。先月、ホームページの掲載要領いつい
て役員会で話し合いを持ち、以下のような方向で掲載
していくことになりましたのでご理解とご協力をお願
いいたします。
1 HPの役割
コルネリオ会活動の情報発信の場であると共に、
神の恵みを証する場としての役割を有する。
2 これまで
HPそのものは誰でも閲覧できる状況であるが、
役員紹介及びニュースレターで執筆者から要請のあ
ったNoのみパスワードを入力し閲覧できるように
していた。
3 今後の掲載要領
(1) 全 般
HPの役割に鑑み、パスワード入力により、限
定された者のみが閲覧できる箇所はなくすことと
する。
(2) 役員紹介
パスワードなしで掲載することとする。なお、
各役員の要望によりメールアドレス、役員個人の
HPにリンクできるようにすることも可能なよう
にする。
(3) ニュースレター記事の掲載
パスワードなしで掲載することとする。また、
執筆者の要望により、掲載の限定を要望するもの
については、当初からその箇所を削除したニュー
スレターを準備し掲載するようにする。
薮内兄がコルネリオ会のホームページの担当をして
下さっています。奉仕のためにお祈りください。
献金感謝(2008.3.24 -2008.11.30)
いつもコルネリオ会を覚えていただき感謝致します。
足立順二郎、江副喜介、井坂玲子、柳沢二郎、
下桑谷玲子、花井米男、玉井佐源太、桧原菜都子、
石井克直、山下和雄、河内俊介、今市宗雄、石川信隆、
圓林栄喜・さゆり、清水正也・幸子、北川政雄、
吉田靖、長橋和彦・晴子
祈りましょう
1 長濱兄のご子息の蒔人君(7歳)が脳腫瘍の手術
をされました。引き続き抗がん剤の治療が続いてい
ます。看病されるご家族が支えられ、牧人君が癒さ
れるようお祈りください。
2 寒くなってきました。体調を崩される愛兄姉もお
られます。健康が支えられれますようお祈りくださ
い。
3 クリスマスシーズンを迎えています。最も伝道に
適した時期です。多くの方々がイエス・キリストに
出会い、救われるようお祈りください。
4 2010軍人キリスト者の会東アジア大会の準備
が滞りなく進められ、参加者に励ましと祝福が与え
られるようお祈りください。
5 今回から、AMCFのロゴマークを掲載することにし
ました。各国の軍人クリスチャンのためにもお祈り
ください。
お知らせら
1 異動等される方は異動先を是非ご一報ください。
2 ホームページアドレスを変更しました。ご確認
ください。
コルネリオ会(JMCF)
(防衛関係キリスト者の会)
コルネリオ会広報室
〒166-0003東京都杉並区高円寺南5-33-8 2-33
電子メール:hidenobu-sayuri_enrin1211@y3.dion.ne.jp
郵便振込口座00130-3-87577コルネリオ会
コルネリオ会ホームページ:
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