ニュースレターNo.121(2009年8月)

幸 福 と は
会員 伊藤 忠臣

(ヒルティ著「幸福論」から抜粋 永上英次訳 白水社)
幸福とは神と共にあることである。それに到達する
力は魂の声なる勇気である。
「我欲より目覚め、永遠なものを捉え、愛に導かれ、
地上のものを手段と解して、これを支配する。これの
みが、この世にありうる幸福の状態である。」
ゲルツァーの詩の抜粋
幸福の第一の、不可欠の条件は、倫理的な世界秩序
に対する確固たる信仰である。
幸福のために不可欠なもの
1 倫理的世界的秩序が存在することを確信
2 その秩序の中の仕事
3 不幸に対する熟考
不幸の三つの狙い〔同時に三つの段階を為す〕
(1)罰:行為そのものに内在する自然な帰結
(2)浄化:大いなる真面目を呼び起こし、真理の大
いなる感受性を呼びおこす。
(3)自己吟味と強化:不幸が自己の力と神の力を経
験せしめる。神の力をしばしば経験することによ
ってのみ、人間の中に本当の力がわく。
(謙遜):傲慢を凌駕して
そして、他の悩める人々に対して、深い同情の覚醒
を教えることが出来る。人生の到達点は自己の運命と
の全き和解であり、これは‘みなぎる流れ’(イザヤ
66:12)の如き、内面的な不断の平和(キリスト教はヨ
ハネ 14:17、マタイ 11:28-29、これのみを約束)で
ある。
この幸福は1つの実在、1つの事実、その他のあら
ゆる幸福のように、単なる想像の形成物ではなく、必
ず醒めることになるものでもない。我々がひとたびこ
の世界観に身を委ねた以上、断固としてその実行に着
手した以上、もはや他を捨てて省みないならば,その
時、幸福は自ら我々に生じてくる。これは内的幸福*の
流れ〔JONE10:10-11、MT6:19-29、HEL4:9〕であって、
この流れは年を取ると共に、ますます強大となり、我々
自身の精神を実らせた後には、又他人にも注ぎ給うも
のである。(必読詩篇90篇)
*内的幸福とは:良心、徳、仕事、隣人愛、宗教、偉
大な思想や事業に従事する生活
○幸福への道は開かれる(必読 詩篇119篇、黙示録3:8)
その身を委ねた以後は、心の内奥に揺るがない一点
が生じ,不断の平和と信頼が生まれてくる。これらは
外界の嵐にあっても、常に多少なりとも存続しそれが
だんだんしっかりしてくる。以前には傲慢であるか、
さもなければ怯襦〔臆病〕であった心が確固たるもの
になった。それ以後は、人はただ、日日の様々な感情
や出来事に、あまり重きを置かないように心掛けさえ
すればよい。むしろ確固たる心根をもって毅然として
生活し、幸福意識という日日の報酬を、決して感情の
中にではなく、活動の中に求めねばならない。こうし
て初めて正しい仕事というものが生じるので、それは
もはや間断のない心労によって奉仕される偶像ではな
く、またそれを通して自己自身を崇拝する偶像でもな
い。(ホセア14:3)
むしろこれは、人間の最も自然な、最も健全な生活
であって、こうした生活は、怠惰に基ずく多くの精神
的障害から、一挙に人を救うばかりでなく、同じくこ
の怠惰に基ずく肉体的疾患さえも癒す力がある。この
楽しい仕事は、およそ世にある健康なものであり、こ
れにより老骨まで、水水しくなるのである。
正しく額に汗することは、絶えず新たに生まれる力
と精神の快活との秘密であり,それらがあいまって、
此処に幸福感を作り出すのである。(コヘレト3:22)
実に健康そのものが本来不可避的な敵に対する抵抗
力の優勢を語るものである。この抵抗力なるものも、
純粋に肉体的な性質のものではなく、同時に道徳的な
性格のものであるか、あるいは様々な道徳的性質によ
って影響を受けるものなのだ。
○勇気こそ幸福を得るための最も必要なもの
幸福とは神と共にあることである。それに到達する
力は魂の声なる勇気である。
○真の幸福への第1歩は、生まれ、境遇、習慣等によ
って身につけた偏見を一切放擲する事である。

2009 年松原湖研修会報告
会員 石川 信隆

この度、6月16日―18日までの3日間、松原湖での
研修会に参加してまいりました。松原湖研修会という
のは、馬堀聖書教会が属しています日本同盟教団の牧
師・信徒がともに集まり、その時代にふさわしいテー
マで、お互いに研修しあうもので、毎年10月に開催さ
れていましたが、今年は 9 月に日本伝道会議が札幌で
開催されますので、6月開催となりました。初夏の松原
湖研修会は、緑がとても美しい自然のなかで、みこと
ばに養われ、美味しい食事を頂きながら、普段お目に
かかれないような先生方(約260名)と一緒に話し合
う機会が与えられて、感謝なひとときでした。今年の
テーマは、「教会と牧師」―この時代に立てられた牧師―という題でした。
プログラムの第 1 日目は、中谷理事長の開会礼拝に
始まり「ペテロの勧めに聞こう」という題で、第1ペ
テロ5章1-4節から、教会のリーダー・牧師・役員は、
ペテロの勧めに謙虚に耳を傾けて、「群れの模範とな
りなさい」という、励ましのメッセージをいただきま
した。夕食の後、夜の講演(I)では、「教会と牧師1」
と題して、松戸福音教会の斉藤成美先生によってヨハ
ネ21 章15-22節から、イエス様が自分を3度裏切
ったペテロに対し、愛をもって「わたしの羊を飼いな
さい」 といわれたみ言葉の意義を説き明かしてくださ
りました。頼りないペテロに対し、イエス様は、可愛
いい羊たち(弱い立場にある方たち)を養いなさいと
命令されました。牧師先生やリーダーたちもペテロの
ように、時には失敗をし、教会形成のために苦悩する
ことがあると思います。この弱さを乗り越えるには、
「あなたはわたしに従いなさい」というイエス様からの
使命・命令を確認することによって、また御霊に満た
されることによって任務を完うできる、とおしゃいま
した。
プログラムの2日目の講演(II)では、斉藤成美先生
の45年にわたる牧会生活を通して、証しをされました。
22 歳で宣教に燃えて松戸福音教会に赴任したとき、前
任の牧師が交通事故でお亡くなりになった後でしたの
で、教会員が亀のように押し黙って、10年間ぐらい教
勢は伸びませんでした。しかし、斉藤先生ご自身が一
人で早天祈祷を始めると、1年後に少しずつ動きはじめ
たそうです。教会形成は「たこ焼きプレート」 のようも
のだ、とおしゃいました。というのも「たこ」は固いの
で、「自我」を意味し、その固いたこをじわじわと焼い
てやわらかくしていくのが教会形成だというのです。
これは、自分の力で焼くのでなく、イエス様・主なる
神様・聖霊様のお力によって訓練されて焼いていくの
だそうです。
よって、教会形成は、「人間的な思い(肉の思い)」 と
「御霊の助け」 の総合的な力によりますが、教会形成は、
自分の弱さを心から認めて、まず「御霊の助け」を借り
なければ教会を一つにまとめることは出来ない、とお
しゃいました。人間的な思いが 60%、御霊の助けが
40%では、教会形成は難しいと思われます。
教会形成の基本は、み言葉による解決であり、朝のお
祈りが不可欠です。その後、分かち合いの時間があり、
ある先生がダビデ・マーチン先生は、主の祈りを一日
百回唱えたそうです、とおしゃっていました。毎日の
聖書の学びとお祈りが、我々信徒たちにとっても命の
食物です。
さて、斉藤成美先生は、その後36歳で教団の理事に
選ばれましたが、いつも謙虚に講壇に手をおいてひざ
まずいて祈っているそうです。この度の松原湖研修会
では、牧師先生と信徒がお互いにともに祈りあってい
くときに、教会が形成されていくことを改めて学びま
した。

『劔岳 点の記』について思うこと
会員 圓林 栄喜

『劔岳 点の記』という映画を見た。土木学会の学
会誌に撮影を監督した木村大作氏の記事が出ており、
急に作品を見たくなったのがきっかけであった。
ご承知の方も多いかもしれないが、『劔岳 点の記』は
新田次郎の作品であり、点の記とは三角点の準備段階か
ら設置までを記した詳細な記録のことである。
あらすじは陸軍参謀本部陸地測量部測量手、柴崎芳
太郎たちが日本地図完成のため、その当時結成された
ばかりの山岳会のメンバーとの競争の中、それまで未
踏と言われていた劔岳の初登頂に挑む話である。
この小説や映画の中で、特に印象に残ったことを述
べてみたいと思う。
○ 任務の重要性
柴崎は志願して軍隊に入り、下士官となって除隊
すると同時に陸地測量部測量官としての教育を受け
文官となる。そして、陸地測量部の大久保少将から
「未踏の劔岳に初登頂し、未完成である立山を中心と
する三等三角網を完成する」任務を与えられる。
急峻な地形であり、危険を伴う業務であり、柴崎が
文官であることから命令ではなかったようであるが、
山岳会に負けられない状況で劔岳初登頂に挑むことに
なる。
山岳会の小島烏水という人物がライバルとして現れ
る。彼もまた劔岳初登頂をめざすのであるが、結果と
して柴崎らが先に登頂を果たす。彼と柴崎の違いは、
「劔岳初登頂」をやらなければならない任務として受
け止めたかどうかの違いではないかと思えてならない。
自分の目の前に時として、嫌な業務(任務)が転が
り込んでくることがある。「何でこんな仕事(任務)を
やらなければいけないんだ。」と愚痴をこぼしたくなる
時がある。
しかし、そのような任務がなければ、問題解決能力
は向上しないし、自分自身も成長しない。ある上司か
ら「問題は解決できる人の前にしか降ってこない。」と
言われたことがある。その問題を解決するためにあら
ゆることを考え、行動する。それはどのような仕事に
も言える事である。「任務」とは大切であると思う。
○ ゲッセマネの祈り
イエス・キリストは十字架に架けられる前のゲッセ
マネで、「父よ、御心なら、この杯をわたしから取りの
けてください。しかし、わたしの願いではなく、御心
のままに行ってください。」との祈りを捧げられた。
イエス・キリストがこの父なる神の御心を行わなけ
れば我々の救いは成就しなかった。卑近かもしれない
が、「父なる神の御心」という任務をイエス・キリスト
は従順に果たしたと考えることができる。
「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自
分を捨て、自分の十字架を負い、そしてわたしにつ
いてきなさい。」とあるが、ある牧師から「十字架は
負わされるものである。」との話を聞いた。柴崎も自
らの名声のために劔岳に挑戦したわけではない。そ
れは、任務であり、背負わされたものであった。し
かし彼はその任務を甘んじて受け入れる。
我々が遭遇する日々の仕事あるいは境遇も時とし
て背負いたくないと思うことがある。しかし、神が
許されて与えられるとするならば、我々は我々のレ
ベルで、与えられる仕事や境遇を、一つ一つ、祈り
ながら信仰をもって受け入れていくことが必要なこ
とではないかと思わされた。

2009年度総会報告

6月13日(土)、2009年度コルネリオ会総会が国立
オリンピック記念青少年総合センターにて実施されま
した。2008年度の活動報告・会計報告と2009年度の活
動計画・予算計画及び役員人事の審議がありました。
また、2009年度の活動計画、役員人事、会計決算及
び予算は以下のようになっています。異議のある方は
会宛て1ヶ月以内に申し立ててください。

2009年度コルネリオ会活動計画および担当者
1 方 針
コルネリオ会は、2010東アジア大会準備のた
めに各担当ごとの計画を概成し、会員の参画意識を
高めるとともに霊的な成長と伝道の働きに寄与する。

2 活動要領
(1) 月例会の活用
ア 聖書の学びを通じ、交わりを深め霊的な一致
を助長する。
イ 検討事項を持寄り、出席者全員で解決して行く。
ウ 新人の開拓に努め、来訪者との交流の場とし
て活かす。
(2) 自衛隊宣教会、テモテ会との連携
連絡調整を密にし、協調し合う。
(3) 国外活動との連携
AMCF及びACCTSとの意思疎通を図り、東アジア
大会準備を円滑にする。
(4) 広 報
ア ニュースレターの投稿を拡充する。
イ ホームページの活用策の検討と内容の充実を図る。
(5) 会 計
ア コルネリオ会会員の海外派遣宣教師、AMCF及
びACCTS等への献金に努める。
イ コルネリオ会の活動、特に東アジア大会への
援助献金を祈っていく。

役員人事
会長 今市宗雄 会計 加瀬典文
伊藤忠臣 玉井佐源太 副会長・
総務 中野久永 監査 中野秀知
総務 長濱貴志 顧問 石川信隆
石川信隆 名誉会長 矢田部稔 渉外 矢田部稔 永久名誉 今井健次
伊藤忠臣 金学根
圓林栄喜 井草晋一 広報
薮内隆志
教職顧問
徳梅陽介

2008年度決算
(2008.4.1~2009.3.31)
1 収入 前年度繰り越し ¥1,550,232
献金 ¥209,410
大会参加積立金 ¥29,000
利息(郵便定期貯金) 0
合計 ¥1,788,642

2 支出 講師・謝礼費 ¥0
ニュースレター作成・発送費 ¥71,995
新聞雑誌広告費 ¥45,310
集会費・例会会議費 ¥22,100
慶弔費 ¥0
接待交際費 ¥10,000
旅費交通費 ¥0
事務通信費 ¥0
雑費(振り込み手数料) ¥4,450
献金(国内教会・自衛隊宣教会等) ¥10,000
大会参加費積立 ¥34,000
小計 ¥197,855
2009年度への繰越金 ¥1,590,787
合計 ¥1,788,642

2009年度予算
(2009.4.1~2010.3.31)
1 収入 前年度繰り越し ¥1,590,787
献金(※) ¥500,000
利息 ¥1,000
合計 ¥2,091,787
2 支出 講師・謝礼費 ¥50,000
ニュースレター作成・発送費 ¥75,000
例会費(10回) ¥30,000
テモテ会、関西コルネリオ会等 ¥50,000
総会費 ¥10,000
新聞雑誌広告費 ¥30,000
事務通信費 ¥20,000
慶弔費 ¥20,000
接待交際費 ¥20,000
旅費・交通費(国内・国外移動) ¥100,000
雑費(振り込み手数料) ¥13,500
献金(国内教会・自衛隊宣教会等) ¥150,000
予備費 ¥1,523,287
合計 ¥2,091,787

お知らせ
〈東アジア大会について〉
1 高価・遠東京のためマロウドホテル成田案を破棄、
国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区
代々木神園町3-1)を追求する事としました。契
約の成否が、申込みの11月2日に判明します。皆
様も是非お祈り下さい。
2 予備としましては、塚本研修センター(足立区六
町4-12-11)を考えています。代替案があれ
ばお知らせください。

〈お願い事項〉
1 ニュースレターへの投稿を御願い致します。
2 ニュースレターの発行を年4回から3回へ減らし
ていますが、献金を覚えて下さい。
3 会員資格者が身近にいらっしゃいましたら、入会
を御勧め下さい。
4 異動等される方は異動先を是非ご一報ください。

献金感謝(2009.4.1-2009.7.31)
いつもコルネリオ会を覚えていただき感謝致します。
今市宗雄、矢田部稔、石川信隆、谷岡博志、
圓林栄喜・さゆり、柳澤二郎、山下和雄、森祐理、
下桑谷玲子、桧原菜都子、玉井佐源太、吉田靖

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