ニュースレターNo. 63

News Letter No. 63 1991年6月
平和を作り出す
 我国は憲法前文のとおり『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して』国際関係を処理しなければならない。戦後四十五年の歴史はそれを語っている。個人的な例として一人の信仰の厚いクリスチャンガ現代の自由主義社会で、その仕事に自分の信条を貫こうと思えば大変な障害と困難とに遭遇する、しかし身の処理を上手にして個々の課題に取り組むことによってクリスチャンであることを表明しながら成功した例を見ることが出来る。これは平和憲法が新約聖書の愛の教えを取り入れたものと思えば、国際関係においてもこれと似た処理の仕方があるように思われる。我々が新約聖書をそのまま読むとき、世の常識では理解出来ないような事柄に当たる事がある、平和憲法の場合も同様と考えられる。
 ここで日本人の平和指向と勤勉とについて少し考えて見よう。戦後の荒廃の中から起こった製造産業は全く無防備の中で大形の生産システムの形で中央集中型の自動制御方式によって操作されてきた。これは一握りの中枢部が破壊されれば機能が全く止まる状態にあった。また情報機関の中心である放送局についても、放送機器の大半を占める半導体機器はエアコンを必要としたが、その装置が破壊されれば局の機能は停止する状態にあった。また現在日本の繁栄を支えているハイテク技術にしても、その製造過程で清浄環境を破壊すれば全滅する。このように敵の攻撃に対する大きな弱点を持ちながら平和を信じて大胆に運営してきた。そこに繁栄の機会があった。

 

 次に国の政策を担当してきた上級公務員についてみると、三十年程前に経験した事だが、大蔵省では国家予算を決めるために各省から係官を呼んで査定の為の説明会を行うのが常であったが、これは殆ど夜おこなわれた。年末に近い予算編成時の大蔵省公務員の執務時間に昼夜の別は見られなかった。また通商産業省についても同様で、省内では産業開発の為の熱心な討議が毎日のように夜中まで続けられてきたということで、通常残業省の異名を持つことになった。このような習慣が民間会社にも普及し、現在日本のサラリーマンの仕事振りは外国のサラリーマンにはとても考えられないような勤勉ぶりとなっている。

 

 しかし今後の日本の進むべき道を考えるとき、平和を保つ手段は経済問題だけではないし、歴史的に見ても世界の経済を支配したユダヤ系の財閥が世界に平和を覆す事は出来なかったことを思うべきである。

 

 現在我が国は多くの資金を海外援助の為に支出しているが、その方法は今のような思い付きや売名のようなやり方でよいのだろうか。今国内の幾つかの経済研究所はコンピュータを十分に稼働させて世界経済に大きな影響を与えている。これと同様に海外援助についても憲法の精神に基づいた強力な政治研究所を作って世界秩序維持のための経済援助方策を設定し、それを有能な政治家が上手に運用することによって有効な平和政策が編み出されるのではなかろうか。

 

 現代は情報の時代であるので各国の与論を参照しながら、物的精神的に分析した予想を立てることが必要である。人間は作為的な生物なので、その考えの裏まで察知することは至難の業ではあるが、大筋について誤ってはならない。しかも人間の行う作業に完全はないので、現在のこの混乱した世界にあっては国の安全の為にはそれで十分とは言えないだろう。そこに防衛問題の必要がある。

 

 日本の国は四方海に囲まれている。近世交通の便は発達し海上の輸送方式も進み、また空からの攻撃も容易なようであるが、しかしそれにも拘わらず海を越えて攻撃することは容易ではない。しかし核兵器については状況が別なので、これは固定する必要がある。そのため国際政治的な対応が必要であり、世界の与論によって国際的な協定が出来るように行動しなければならない。  これからの世界平和のために果すべき日本の役割は重大であり、そのための画期的な方策を開発しなければならない。     (今井健次記)
日本の教界における憲法の地位
          矢田部 稔(元陸将補)
 教界の有力紙「キリスト新聞」は、長年にわたって「平和憲法を守れ」の標語を掲げ続けている。日基教団は、62年総会で憲法擁護を決議している。その声は大きく、教界の多くのマスコミ・ミニコミ、講演等で絶えることがない。
 この憲法は、日本の歴史始まって以来の大苦難の中にあって、これこそ新生日本の守るべき基本的な戒として生まれ、その後、国政の中で国民教育の中で大切なものとして強調されてきたものである。キリストを信ずる者は、国家の公権力を神から与えられるものとして感謝をもって受け、この世の秩序を守ることを大切にしなければならない。従って、新聞の標語がなくても教団の決議がなくても、国の基本法として憲法の考えを知り法律や条約を守りカイザルのものをカイザルに返す如く国家の命ずるところに従うのは、当然のことと云うべきである。
 このように大切な憲法は、絶対のもの、批判を許されない神聖なものと云うべきであって、特に第9条は聖書を解釈するとき或は説教のため聖書のある部分を抽出するときの準拠となるもの、教会政治や神学論争の決め手としての地位を持つものである。と、こうなってくれば、憲法はその枠を超えて神の領域を律するもの或は偶像に昇格しており、十戒の第1戒及び第2戒に反する。  旧約は、偶像を作るべからずと繰り返して記述する。裏を返せば、人間は長い歴史を通じて繰り返し偶像を作ってきたのであり、今日も同じである。偶像は人間の不安感を和らげるため、目に見えるものとして、常に存在を求められる。
 風土・歴史が違い考え方が違い利害の対立と争いが渦巻く国際社会--そこには、スターリンもフセインもいる--で生きてゆくのに、不安を解消する役目を果たしてくれる存在が必要となる。それは、鰯の頭の信仰や唯念仏教等とは違って近代的な装いを持つ。また、日本だけが恩恵を受ける特別の権利を持つとか日本だけがきつい或は危険な義務を免除される特別の権利があるといった、かつての日本神国論風の独善的な傾向をも満足させ、鎖国をすれば国際政治の影響を受けずに平和裡に生きてゆけた元禄時代に住んでいるかの如き幻想を抱かせる。この幻想が脅威を受けたとなると、ますますこれに固着し、妥協してはならじと、更に忠誠心を盛り立てよぅとする。偶像はこのような働きをする。
 現憲法出生後の45年間に、多くの国で憲法が制定され或は改定されたが、外国人が第9条を日本から担ぎ出していないし、日本人がそれを輸出している実績もない。何故か。外国人は愚かであり日本人はけちである故か。日米安保条約とワンセットになっていない第9条は意味がないからである。長い歴史の中で豊富な戦争経験を持つ国民は、憲法を何枚重ねてもフセイン軍に対する楯になるものでもないことを知っている。
 きゅうり畑のかかしは、島には恐怖を与えるが、人には効果がない。物事の効果には範囲と限界があるが、偶像はその認識を無視させる。そこに可笑しさと愚かさかある。
 世界に比類のない立派な憲法を持つ自国民を信頼することなく、日本国憲法のようには立派でない憲法を持つ諸国民の公正と信義に信頼してそこに国家生存の根底を置くという憲法前文の大矛盾を意に介さない可笑しさと、かかしを恐れる可笑しさは相乗効果を発揮する。
 かかしをかかしたらしめ、憲法を憲法たらしめよ。教会をして、かかしを怒れる人を朝笑う神、人を殺しもし生かしもするおそるべき神、憲法によって立つのではなく御自身の王権によって立つ神、そのみ言葉に立つ教会たらしめよ。(エレミヤ10章)
キリストイエスの救いにあづかって
      圓林 栄喜(防大4年生)
 先づ洗礼にまで導びいて下さった、在天の父なる神様、主イエスキリスト、聖霊のお働きに感謝致します。又私のために祈り続けて下さった教会の兄弟姉妹にも感謝致します。私の家庭は元々浄土真宗で、子供の頃からお仏壇を拝む習慣がありました。又祖母が生長の家に入っていて、子供の頃はその集会にも行きました。「私は神の子仏の子、何でも出来る強い子良い子」という良い行いをすれば良いむくいが来ると言われた事を記憶しています。しかしそんな良い行いをする反面、私は親の金をぬすんだり、人の陰口を言い、人の良い行いをねたみ、良い行いの中には何か良くない利己的な生活が伴なう事を見て来ました。その上物事がうまくいかない時には、あんなに良い行いをしたのにとか、あれだけ苦労したのにどうして自分だけこんな目に会わなければならないのかという気持がありました。さて高校に入学してから突然成績が落ち始めました。進学高校で学びながら、どんなに机に向っても、他人の事が気になり勉強がはかどらない。他人と成績かひらき始め、自分に対する誇りは打ちくだかれ、そして成績の良い友達をうらやみ、ねたむ事も数知れず、そんな心になってはいけないと思っても、自然に心がそうなってしまい、親に当りちらし、どうしようもなく、模擬試験の成績も悪くなり、ひたすら努力すれば人間は皆平等なのたから成績が悪いのは努力不足たと思うが、自分の力のみではどうする事も出来ない壁があるのではないかと思い、自分がいやになり、早く死んだ方が人の為だと思った事もありました。そうこうする間に防大に入る事が出来ました。一年二年の頃は兎に角このいやな性格を変えたいと思い自己啓発の本を読みあさり、依り所を求めておりました。
 しかしこのような本もその時は納得できても後が続かず、自信かないので他の何かで他人と比較するようになり、それが学科の成績であったり、道徳的行為であったり、教化能力であったりしたような気がします。しかしそれは真理ではありません。そんな時石川先生のおさそいで聖書を学ぶ時が与えられ、ここで本当のイエスキリストの教えを学びました。
 自分は弱いものであり、罪人であり、義人はいない一人としていない。という教えは直ちに受入れることが出来るものでありました。
 又つらい事があった時ーあなた方の会った試練は皆人の知らないようなものではない。神は真実な方であるからあなた方を耐える事の出来ないような試練に合わせる事はなさらない。むしろそれと共に抜け出す道もそなえて下さいます。( 1コリ 10:13)このみ言葉は私の信仰を強めるものとなりました。更に罪を一つも犯した事のない清いイエス様が-「字架にかンる事によって、我々の罪をあがなって下さったという事実は、私にとって大きな救いでした。自分には罪があるかこれをどうやってあがなうかを考え、むりやり罪をおさえつけたり、無理をしたり、或いは仏教で言う「煩悩を捨てさる」という心境にはどうしてもなれなかったからです。このような罪人である私を理解し許して下さる尊い方がいらっしゃるのですから、私は主イエスキリストを救い主として信じます。これから私はキリスト者として社会的には自衛官として国を守る職につく事になります。この事を両親はまた認めてくれませんし、又自衛隊に於けるクリスチャンの数は多くないと聞いております。しかし私は地の塩となり、多くの人に王の恵みを伝え、主のご栄光をあらわす事が出来るように、上に依り頼むよう求め続ける事によってこの様な問題も解決出来ると信じております。  これからか本当の意味での私の信仰生活の始まりだと思っております。一生クリスチャンとして立派な生活か送れるように、そして一人でも多くの人々が救われるよう積極的に働き祈り続けていきたいと思っております。
  コルネリオ会集会報告
 1. 2月定期集会
 日時 平成3年2月16日(土) 15:00~17:30
 場所 東京新宿区大久保
 実施事項
  1.奨励、中野正治兄    「1サムエル3章」より
  2.修養会の打合せ
  3.話合い
   参加者
    矢田部稔、中野正治、石川信隆、長橋晴子、今井健次の諸兄姉
 2.  3月定期集会
 日時 平成3年3月16日(土) 15:00~17:00
 場所 東京新宿区大久保
 実施事項
  1.奨励、矢田部稔兄    「1サムヱル4章」より
  2.湾岸戦争についての話合い
   参加者
    矢田部稔、中野正治、宮岡修二、長橋晴子、今井健次の諸兄姉

 

 3.  4月定期集会
 日時 平成3年4月13日(土) 15:00~18:00
 場所 東京新宿区大久保
 実施事項
  1.奨励、今井健次兄   「1サムエル6章」より
  2.話合い
   参加者
    矢田部稔、石川信隆、中野正治、今市宗雄、今市夫人、長橋和彦、長橋夫人、今井健次、の諸兄姉

 

 4.  5月定期集会
 日時 平成3年5月 18 日(土) 15:00~17:30
 場所 東京新宿区大久保
 実施事項
  1.奨励、石川信隆兄   「1サムエル7章」より
  2.修養会の打合せ
  場所(防大、横須賀クラブ馬堀聖書教会)、
  実施計画、参加者、等について
  3.その他の話合い
   出席者
    矢田部稔、中野正治、今市宗雄、今市夫人、石川信隆、今井健次の諸兄姉
防大聖喜研究会だより
 防衛大学校(横須賀市)に於ける聖書研究会は学生を対象に毎月( 8月は休会)第三木曜日午后8時から9時まで土木工学科会議室に於て行なわているのでそのためお祈り頂きたい。 現在の参加者はつぎのとおりである。
  (敬称略) 講師 徳梅陽介(横須賀馬堀聖書教会牧師)  幹事 石川信隆(防大教授)    伊藤一雄(研究科2年)    小林直行(研究科1年)    小暮幹太(研究科1年)    長浜貴志(本科 4年)    山口敦史(本科 4年)    館修将史(本科 4年)    田村 修(本科 3年)    森田賢二(本科 3年)    西村俊行(本科 3年)    山本慎介(本科 1年)    竹庵吉文(本科 1年)    芹川武也(本科 1年)
会計係より感謝の言葉
 1990年度も主はコルネルオ会を愛して下さり、必要を満たして下さったことを覚え、心から感謝申し上げます。特に今年度は下桑谷浩宣教師を支えるために、会員の力強い励ましがあったことを痛感致しました。また防大聖研に対する会員皆様「の熱いお祈りがあったことを覚え、感謝致します。そのお祈りに答えて、主は荻原洋聴兄を8月アメリカコロラドのクリスチャンキャンプに送って下さり、クリスマス( 12月23日 )に受洗という恵みを頂き、(目下オーストラリヤ留学中)また本年3月17日には圓林栄喜兄が本科卒業を前にして受洗(目下陸上幹部候補生学枝入校中)という恵みをお与え下さった事を心から感謝申上げます。会員の皆様には更に一層のご協力を頂き、本年度も必要が満たされますようお祈り下さい。小生のような誤ちの多い者に対して、主は常に隣みをかけて下さり、会計係という大役を勤めさせて頂いておりますことを感謝致します。(会計係 石川信隆)

 

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