ニュースレターNo.68

News Letter No.68 1993年2月
日本の福音化は困難か
 『誰でも新しく生まれなければ神の国を見ることは出来ない』(ヨハネ3:3)のみことばによって福音を信じてクリスチャンになって30余年になる。この間聖書を学び続けて来たが、この聖書こそ全能の神からの啓示であると思っている。日本は偶像国だとはよく言われる事だが、私についても果してそうであったろうか。救われるまではそのような気がしていたが、それは形の上での事で、それまでも決して全能の神の代わりに何かを強く信じていたわけではない。日本最古の文書である古事記にはその序文に『諸家の言い伝えが正実と違い虚偽が入るといけないので、美を定めて後の世に伝えるため筆記させた。』と書いてある。又子供の頃から親しんで来た仏教も仏典の書き出いま『如是我闇』(ニョゼガモン)で、このように聞いていると言う事で、これも人間の学びから来た知識と言うことが出来よう。又旧制中学時代に漢文の授業を通して学ばせられた論語孟子に代表される儒教思想についても、人間的な倫理と言わなければならない。
 旧約聖書にはエリヤがパールの予言者に決戦を挑む所があるが(1列王18章)これは全能の神が親しく導いておられた選民が一旦主に従いながら、それを捨ててパールにつくという大罪を犯したので、それから救い出す為に起こった出来事で、異邦人への裁きの時が来た訳ではない。十戒に代表される律法も選民を回りの悪から守るためのものであった。
 現代この福音の時代に日本人は本当の意味で啓示を受けているのだろうか。これに対する答えは先に救われて主に属する者となった我々クリスチャンが出さなければならない。日本では聖書は確かにベストセラーの図書であり、外国語の聖書まで印刷されて海外にも持ち出されている。しかしこれが一冊の教養書としてのみでなく、全能の神からの啓示として広く国民に伝達されているだろうか。
 日本を象徴する霊峰富士は下から見るとその頂上は平らである。そこに神々の座があるとすれば、そこまで登る道は幾つもあり、どこを通っても頂上に達する事が出来る。そして神々の座が頂上のお鉢回りにあるとしても、その上はどうなっているのか。聖書によれば我々の国を始めたそれらの先祖の神々も産み出されたのは全能の神である。その全能者の座は上空高く、太陽よりも高く、宇宙をも創造された方の座である。日本のクリスチャンはそれらの事を明確に意識しているであろうか。一般の神々も全能の神も肉眼では見えないので同じように思われるかも知れないが、全能者を神々の中の最長老程度に思っているとすれば、霊の目は全く見えていないと言わなければならない。日本人がこの事に目覚めた時日本は既に偶像国ではなくなっているであろう。
 日本人への宣教はむづかしいか。最近ごく一般的な一人の大正生まれの人がクリスチャンになった。昨年のことその方の奥さんが肺癌である事がわかった。市内の病院で診てもらったら手術が必要だと言うので、更に癌センターで精密検査をしてもらったところ、病状が進んでいるので最早手術はしない方がよいと言う。余命は二三年と言うことであった。そこで葬儀・埋葬を考える事になったが、その時本人は葬儀はキリスト教式でやりたいし、出来れば教会の墓地に入りたいと言い出した。それまでその一家はキリスト教には反対で教会に行った事もなく聖書を読もうともしていなかった。そこで教会に近付く方法として、少し元気になったら教会の日曜礼拝に出るようにしなさいということになった。ところが病状が急変して救急車で市内の病院に緊急入院してから、体力が急に弱り起きられなくなった。しかしベッドの上でキリストを信じたいと言うので、その事を教会の牧師先生に報告したところ、定められた日に病院に一緒に来て頂くことになった。ところがその約束の日の前日に容態が急変してこの世を去る事になった。そして牧師先生のご厚意で葬儀と一ヶ月後の教会墓地への納骨まで教会でやって頂く事になった。その時からその主人は毎日曜日教会にきて聖書の学びをする事を約束したので、次の聖日からそれを実行した。妻の病の時はその枕辺で聖書の話しをする事も許されなかった主人が、それからどんどん聖書の学びを受け入れて、四ヶ月後のクリスマスには洗礼を受けるに十分な信仰を持ち見事クリスチャンになった。聖書の学びは今も続いている。
 インテリと言われる日本人でキリストを知らない人はいないし、聖書の話しを聞いた事のない人もいないであろう。ただ偏見を持ち話しを歪んだ形で受け取っているので、真実な王のメッセージが妨げられているものと思われる。この悪霊の雲が一旦取り除かれれば、王の救いは目の前にある事を認めなければならない。  (今井健次記)
AMCFアジア国際大会(台湾)
 1992年AMCFアジア国際大会が1992年11月16日(月)から20日(金)まで、中華民国台湾で行われた。場所は台北市の海外青年活動センターで、宿泊は円山大飯店であった。コルネリオ会から代表として矢田部稔兄、同夫人、小山田光成兄および中野久永兄の四人が参加した。11月16日(月)には各国代表者の会議があった。11月17日(火)は16.30から歓迎礼拝に始まり、歓迎晩餐会に続いて大会行事に入った。
 主題講演3回、聖書研究、分級セミナー、祈榛会、各国報告、国際交流会や市内見学等の行事の後11月20日(金)の歓送ランチョンによって大会の幕をとじた。
 参加人員は英国からサー・ローレソス・ニュー国際会長夫妻をはじめ、オーストラリヤ1名、香港5名、日本4名、韓国18名、フィリピン34名、スリランカ3名、シンガポール2名、アメリカ3名、で主催国台湾からは178名が出席合計250名であった。  

 

台湾国際大会でのあかし             中野 久永(東方航)
 主イエス・キリストの御名を賛美いたします。
 私は、陸上自衛隊立川駐屯地、東部方面航空隊に勤務しております。
 主によって私達は、生かされているのです。(1ペテロ1:18.19)
 今年11月16日から20日まで台湾で国際基督従軍人団契協亜細亜会議があり、矢田部会長、会長夫人、小山田1尉と私が参加することができました。感謝です。
 会議の最終日に証をする機会が与えられ、私自身、その時は、イエス・キリストによってのみできることがわかりました。主が私に機会を与えて下さったのです。
 成田を出発する一週間前、自宅近くの交差点で事故に遭いました。私の車は前方が破壊され、廃車になりました。同乗の婚約者しのぶは、すぐ救急車で目黒第2病院へ運ばれました。相手の車が一時停止無視で交差点に入ってきたのです。警察の現場検証において、「中野さん、あなたがもう少しスピードをたしていたら、運転席に衝突し、死んでいたでしょう。」と言われました。
 10月に彼女の教会で婚約式をしました。二人でキリストのために働くと約束をしました。しかし、この事故によって私達は本当に困難な時をもちました。しのぶの両親に事故の状況の報告とおわびをいたしました。このようなときにも神様は私達を守って下さいます。(1コリソト10:13)
 出発前日まで部隊長等も心配して下さいました。私自身こんな状況で外国に行くのかと何度も自分に問いました。しのぶは電話で「心で決めたとおりにしなさい。神様は喜んで与える人を愛して下さいます。(Ⅱコリソト2:7)私はもうたいじょぶ、日本のキリスト者として、海外の軍人キリスト者と交わりをしてきて下さいい」と言ってくれました。
 そして私は会議に参加しました。多くの事を学びました。台湾と日本の歴史を学ぶきっかけを与えて下さいました。
 会議において二人のキリスト者と友人になりました。その一人呉宏道牧師は86年日本で行われた東アジア大会にも台湾代表として参加いたしました。今回は翻訳組総責任者として奉仕されました。
 もう一人の方はちょうど海軍士官学校を卒業されたぽかりの寓乗暁(lvan)君です。キリスト者として兄弟と呼べることの特権を主に感謝します。彼は将来軍僧になりたいと言っていました。私達は真に理解し合える軍人キリスト者であることを主にあって喜び、感謝し、確信いたしました。アーメン!
 福生警察署において事故の事情聴取があり、私は聖書を机の上に置く事を許されました。「あなたには相手方を刑務所に送る事ができます。どうしますか。」「私はクリスチャンです。私の事はすべて警察の方にゆだねます。」と言いました。  主によって命を救われました。神様感謝いたします。最後に御言葉をもって終わります。ローマ6:12.13
 神様の祝福が皆様の上に注がれますようお祈りいたします。

 

会員からの短信
 峯崎康忠
 兄桧原久仁夫兄の通信を拝見し嬉しく思いました。防大時代、図書館で拙著に接した時の印象が忘れられず、是非一冊との御熱心に応え、同兄に手許の一冊を割愛しました。
 「あかしして夢があかしと返える幸」(拙句)の思いでした。又今回は12年の長さに亘って会長をご奉仕下さった今井博士のご苦労を感謝します。なお今後もコルネリオ誌は引続いて編集発行される由、有難く存じます。 新会長矢田部様、副会長石川様には新御使命に立っての御奉仕誠に感謝です。21世紀に向けて更らに5年・10年と記念の年を迎えられるよう心から祈り上げます。
 矢野政良兄
 ご無沙汰を重ねているにもかかわらず、いつもお心にかけて頂きニュースレターをお送り下さり感謝申上げます。私も停年を前に、付配置となり、初めて自宅に落着くことができました。又礼拝も結婚以来初めて母教会の横浜鶴見教会に出席しています。今後ともよるしく。
 三上俊弘兄
 ハレルヤ王の御名を讃美します。業務多忙の上信仰的にも疲れて来ています。もっと多くの隊員が救われ、主の弟子となるよう祈ります。在主
 石井克直兄
 6月に寸山にて予備自衛官訓練( 5日間)に出頭しました。PKO問題等いろいろありますが、今後もがんばっていこうと思います。
 武内哲史兄
 教会の壮年会でPKOについて話をしてほしいという要求がありました。適当な資料があれば教えて下さい。主の御恵みが皆様の上にありますように。

 

 AMCFアジア国際大会の日本での開催について         コルネリオ会々長 矢田部 稔
 AMCFアジア国際大会を1995年に我がコルネリオ会が担当して、日本で開催すべきか否かについて検討中です。 この点についてご加祷を頂き度〈お願いします。
1. アジア大会の過去の実蹟
  #1 アジア大会 1981年  シンガポール
  #2  〃    1983年  台湾   世界大会  1984年  韓 国
  #3 アジア大会 1986年  日 本
  #4  〃    1989年  韓 国
  #5  〃    1990年  シンガポール
  #6  〃    1991年  フィリピン
  #7  〃    1992年  台湾
2.  1986年東京大会の実績
 (1)日時 8月7日(木)~9日(土)場所 グランドヒル市ケ谷
 (2)参加者 海外から80名、在日米軍12名、日本人81名、計173名
 (3)説教、講演担当日本人牧師 6名
3. 近い将来における予定
  1992年11月の台湾大会において次回のアジア大会の予定は決定せず、次回担当を日本にする案は正式議題とはならなかったが、言外にそれを期待する雰囲気があった。
  1994年10月には世界大会か米国で行われる事が決定しているので、アジア大会は1995年頃が妥当と思われる。
4. 日本が担当する場合は、早く決めればそれだけ準備のため有利、また担当しない場合は、他の国に準備の時間を与えるため、出来るだけ早く知らせる必要がある。
5. コルネリオ会定期集会では台湾大会前後毎回そのことで話し合ってきたが、2月の定期集会で決める事が望ましいとしている。
6. 今や会員会友諸兄姉の祈りが必要な時であり、諸兄姉を通じて御神が示されることを知る必要がある。 集会参加者は勿論、参加していない方も、祈りに参加して頂きたい。
7. 韓国の朴昌源退役将軍(AMCF世界副会長兼アジア地区会長)はヤコブ1:5を挙げて日本コルネリオ会のために祈ってくださっている。
8. アジア大会担当の可否について、次のことを口頭または通信にてお知らせ願いたい。  (1)特に示された聖書の箇所  (2) コメント
9. 御神の示されたことを確認するため上記を一表にして、後日会員会友諸兄姉にお届けしたい。
   以上のこと至急お願いします。    栄光が主にありますように。

 

会計報告(1992年1月~12月)
 収入の部
   ①前年度の繰越金              1,030,721
   ②献    金                338,000
       計                 1,368,721
 支出の部
   ①ニュースレター発行費            140,000
   ②クリスチャン新聞及びキリスト新聞広告料    79,720
   ③ コルネリオ会集会費             34,000
   ④防大聖研(徳海牧師謝儀)            10,000
   ⑤通  信  費                28,900
       計                  292,620
 残額の部                1,076,101
 下桑谷浩宣教師基金
 収入の部
   ①前年度繰越金                 86,500
   ②献   金                  43,000
       計                  129,500
 支出の部
   ①下桑谷浩宣教師へ              100,000
 残額の部                      29,500

 

 

 @献金者氏名(敬称略順不同)
 小森邦治、天野清、飯塚正実、柳沢二郎、中山陣三、中野久永、谷岡博志、武野仁司、安永稔、宮崎健男、蔵谷三郎、武内哲史、武田妙子、石川信隆、山口利勝、島田修、宮岡修二、寿円正己、森田忠信、今井健次、宮下和之、コルネリオ会修養 会献金、足立順二郎、矢田部稔、市川武功、今市 宗雄、関六郎、峯崎康忠、滝原美津江、三上俊弘、今村和男、小池進、石井克直、武宮啓夫、北川政雄、加瀬典文、守屋和夫、矢野政良、中野研精、板井敦雄、宮越明彦、吉江誠一、篠田肇、中野正治、海野幹郎、福田俊治、納谷憲正、円林栄喜
   会計係より感謝のことば
 主は変らぬ愛をもってコルネリオ会の必要を満たして下さっていることを覚え、心から感謝申し上げます。
 1992年度も皆様方から愛の献金を沢山賜わりました。自衛隊という組織の中で、クリスチャンとして信仰生活を守り続けていくことは、本当に勇気がいることがあり、毎日が戦いの連続と思います。主は、そういう私達を憐んで下さり、コルネリオ会という小さな集まりの中にも光を当てて下さっていることを覚えます。
 1992年度はコルネリオ会修養会に参加して頂いた中野久永兄、柳沢二郎兄さらに板井敦雄兄が新しく加えられました。また防大聖研から荻原洋聡兄、園林栄喜兄に引き続き、1992年6月長浜貴志兄、9月に加瀬典文兄と若い魂が救われました。主の奇すしきみわざを感謝せずにはおられません。また下桑谷浩宣教師がブラジルへ向けて旅立たれてから早や4年にならうとしており、同師に対する献金も必要を満たされました。これからも下桑谷浩宣教師をコルネリオ会として応援し続けていくことの大切さを強く感じました。皆様方の熱い祈りと捧げ物を心から感謝申し上げます。(会計係:石川信隆)

 

コルネリオ会集会報告
1.Piercee夫妻を迎える会
 日 時 平成4年11月23日(祭)11:00~13:30
 場 所 東京都中野区上高田 滝原博兄宅   Chuck Piercee元米海軍大佐はACCTS(AMCFの援助団体)アジア担当のスタッフです。
 参加者 矢田部稔、同夫人、石川信隆、板井敦雄、中野久永、今井健次、滝口巌太郎、滝原博、同夫人の諸兄姉
2.クリスマス集会
 日 時 平成4年12月19日(土)13:00~15:30
 場 所 東京都新宿区大久保 長橋和彦兄宅  クリスマス特寄り愛餐会を行った。
 参加者 矢田部稔、滝口巌太郎、今市宗雄、同夫人、滝原博、同夫人、小山田光成、板井敦雄、守屋和夫、遠藤浩文、宮岡修二、中野久永、今井健次、長橋晴子の諸兄姉

 

    コルネリオ会広報室( JOCU)
   東京都東村山市富士見町2-12-34
     TEL  0423-93 - 6902
    郵便振替 東京 3-87577
      (発行責任者 今井健次)